「
エプソムC・G3」(11日、東京)
初タイトルを目指す東西の4歳馬が好気配だ。
アストラエンブレムは7日、美浦坂路で3頭併せを行い、力強い走りで出来の良さをアピールした。将来性十分の良血馬が飛躍への一歩を踏み出す。2連勝中の
タイセイサミットも栗東坂路で好時計をマーク。こちらも仕上がりに不安はない。
両隣からのプレッシャーを心地良さそうに受けながら、堂々たる走りで美浦坂路を駆け上がる。陣営の課したテーマを難なく乗り越え、
アストラエンブレムが初タイトルへの態勢を整えた。4F51秒9-38秒5-13秒0。内
メイスンウォー(7歳1600万下)、外
ヌーナ(5歳1000万下)に馬なりで楽々と1馬身先着だ。
「前走はミルコ(デムーロ)が最後に“ブレーキをかけた”と言っていた。だからビタッと併せて、緊張感を持たせるような調教。思った以上に楽でしたね」。手綱を取った小島茂師は満足げに汗を拭う。単勝1.9倍の断然人気に推されながらも2着に敗れたメイSから中2週。課題の修正へ最善を尽くした指揮官からは、柔和な笑みがこぼれた。
母ブラックエンブレムは08年
秋華賞馬、異父兄
ブライトエンブレムは14年
札幌2歳S覇者。2歳時から将来を嘱望された良血馬だ。焦らず地盤を固めつつ、着実に
ステップアップを遂げてきた。「中間は坂路2本のメニューを取り入れている」と強度をアップ。「ちょっと変わった。実になったのかな」。控えめな言葉の裏に、成長の手応えがにじみ出る。
重賞は過去に4走して3・4・4・4着。「今までとは違って、ある程度の物を詰め込めていける」と臨むスタンスは明らかに異なる。力試しの一戦ではない。まだ完成度は八分の現状だが、「今の状態で勝ってもらいたいね」とVへの意識は高い。
「当日輸送は体重が落ちる。1日早く東京競馬場に入るつもり」と詰めの作業も万全。心身とも上昇曲線を描く中で迎えるこの
エプソムCが、飛躍への第一歩だ。
提供:デイリースポーツ