現地でのライブ観戦ならいざ知らず、テレビやネット、他場でのモニターチェックでは、レースの前後に起きている、ちょっとしたアク
シデントに全く気づかないことがよくある。
例えば、
テンションが上がり過ぎて返し馬ができなかったとか、ゲート裏の輪乗りで集中力を欠いてやたらと鳴いていたとか…。
ユニコーンSにエントリーしている
サンライズソアは、前走の青竜Sを勝った後、そのまま止まらずに、コースを1周してしまったそうだ。
「実は新馬戦でも同じことをやっているんだけどね。気が入り過ぎている感じなのかな。引き揚げてきた後の地下馬道でも、とにかくうるさいから、この馬は競馬当日が大変なんだよ」と担当の芦谷助手が苦笑まじりに教えてくれた。
それにしても、全力を使い切って走ったら、普通ならゴール後は息も絶え絶えに、すぐに止まってしまうもの。
オープン競走を勝った後に、そのまま止まらず馬場を1周するなど、よっぽど余力がないとできない芸当ではないのか?
「まだ競馬を分かっていないから、ああいうことになるんだろうけど、“まだ元気が残っていた”ということでもあるのかな。今でも芝でもやれる馬だとは思っているが、ダートでは2戦2勝と、より結果を出しているのは確か。前回なんかは最後に後ろを少し離す感じもあったし、まだまだ奥がありそう」とは管理する河内調教師。
これまでは調教でも苦労が多かったようだが、「ここにきてスムーズに馬場入りができるようになってきたし、馬は少しずつ成長してきている」とのこと。まだまだ幼さは残っているにしても、今回も快勝した前走と同じ舞台。しっかり走りに集中できるようなら、重賞Vが見えてくる。
(栗東の坂路野郎・高岡功)