フレッシュな笑顔と
ガッツポーズが何度も炸裂した。
6月22日、
園田競馬場で行われた
スーパージョッキーズ
トライアル(以下、SJT)第2ラウンドは、中野省吾騎手が2連勝で優勝。8月26日、27日に
JRA札幌競馬場で行われる
ワールドオールスタージョッキーズの
地方競馬代表騎手に選出される見通しとなった。
SJTは2ラウンド4戦の着順に応じたポイントの合計によって優勝が決まる。中野騎手は今月5日に
盛岡競馬場で行われた第1ラウンド2戦を1着、2着で2位以下に圧倒的ポイント差をつけていた。「馬との会話を重視しようと、あえて新聞で各馬の位置取りなどを見ないようにしました。どんな馬でも、人がハマれば他人よりいい成績を残せると思っています」と話したセンスは、園田でも光った。
今日の1戦目、園田10レースは
マンテンスマイルで後方2番手からレースを進め、鋭く追い込み勝利。同馬を管理する
尾林幸二調教師は「1つでもポイントを稼いでくれたら、と思って見ていましたが、私もビックリしました。さすが若手の有望株やね」と目を丸めた。両手で
ガッツポーズをしながら検量室前に戻ってきた中野騎手は、この勝利でSJT優勝が確定した。
それでも本人は冷静に「次も1着目指してがんばります」と話すと、2戦目園田11レースは好スタートから2番手につけ、3〜4コーナーで抜け出し完勝。波乱が起こりやすいジョッキーレースで全4戦を1着、2着、1着、1着と完全連対を果たした。
昨年、南関東で159勝を挙げ4位だった中野騎手は、平成生まれの25歳。SJT優勝は最年少なだけでなく、獲得ポイントも過去最高をマークした。
「昨年末、腰を痛めた時に外国人騎手の乗り方を研究したことがありましたが、却って良くなかったです。色々迷惑をかけながらも見つけた自分なりの馬への乗り方をしっかりするだけだと思っています。世界の人たちがどんな騎乗をするのか分かりませんが、応援よろしくお願いします」
衝撃的だったSJTの戦い。夏の札幌でも再び衝撃を与えてほしい。
(取材・文:大恵陽子)