「
宝塚記念・G1」(25日、阪神)
戦前にM・デムーロが話していたことを思い出す。「
京都記念は重たい馬場で勝った。この馬は雨が降っても走り方が一緒」。まさに恵みの雨。道悪でも
バランスを崩さない
サトノクラウンにとって、稍重馬場は最高のスパイスとなった。
前後半5Fの通過が60秒6-59秒1。相棒を中団外めへと誘導したM・デムーロは、向正面でペースダウンしたところで仕掛け、先行勢に揺さぶりをかけた。つつかれた
キタサンブラックが動くと、そこからは11秒台のラップを刻み続ける消耗戦に。これが前崩れの原因となった。
ブラックをつついた後は再び中団に。道悪でも自在に動けるパートナーの特性を生かし、いったん下げてひと呼吸置いてから先行勢を出し抜いた。直線の進路取りも、この日最も芝コンディションがいい大外を選択。無論、馬の力あっての戴冠だが、大舞台に強い鞍上の頭脳プレーが光った。
一方、
キタサンブラックは芝質が軽く広い東京&京都で〈7、0、0、1〉と強さを発揮している半面、小回りで力を要する中山&阪神では〈3、2、3、0〉と勝率が下がる。さらに今回は道悪馬場もマイナスとなったか。秋へ向けて、このデータは頭に入れておきたい。
提供:デイリースポーツ