「
中京記念・G3」(23日、中京)
極上の切れ味だ。前走がレコード勝ちの
ブラックムーン。4度目の重賞挑戦で初のタイトル奪取を狙う。
4カ月ぶりの前走が圧巻だった。道中は最後方で折り合いに専念し、直線はゴボウ抜き。自身の上がり3Fは32秒4で、10秒7-11秒1-11秒6の速い上がりを、差し切る強い内容。1分31秒9はレコードタイム。
マイネルポライトが持つ1分32秒0を10年ぶりに更新した。
惜敗を続けるなど、遠回りする形にはなったが、期待されていた逸材。本格化したと判断していいのだろうか。攻め馬をつける西浦助手がこう説明する。「緩くて、以前はレースを使いながら調子を上げていく感じだった。前回は休養明け初戦から攻められた。いい休養になったみたいで、攻められる体になっていた」。完璧な仕上げに馬が応えた必然のVだった。
中京は3歳時にフ
ローラルウォーク賞で3着。それ以来、約2年ぶりのコース参戦になる。「新潟でも東京でも勝っているから左回りは問題ない」と仕上げ人。開催2週目には平地2戦でレコードが更新されるなど、時計も速い。舞台も歓迎だ。「秋に大きなところを狙えるのかが分かる。ここは勝負の一戦」と試金石を強調する。
京都金杯では馬場状態を踏まえて中団で競馬した結果9着に敗れた苦い経験がある。西浦師も「テンに無理せず、終いに賭ける競馬がいい。前走のようなね。能力は重賞でも通用するから」と前走の再現を描く。最大の武器を発揮してラ
イバルを斬る。
提供:デイリースポーツ