「アブミ」は極めて重要な仕事道具。しかし、武豊曰く「30年前から何も変わってないし、俺もそんなに気にしたことなかった…」。それが2019年秋、ゴルフクラブブランド「MUQU(ムク)」のアンバサダーとして名古屋の工場を訪れた際に、ふと閃いた! 「そんな気にしたことはなかったとはいえ、どこかで気にはなっていた。何とかならないかな?」と。
2019年9月、それは突然やってきた。
武豊「アブミって知ってる? 馬に乗る時に足を乗せるヤツなんだけど…。このまえの名古屋の工場でさ…。作れないかな? と思って」
10月行われたゴルフクラブ「MUQU」のアンバサダー契約記者会見に先立ち、密かに自分のアイアン作りの現場を訪ね工場見学してた武豊騎手。
2020年12月27日に有馬記念が終わり
武豊「そういえば! (川田)将雅、使ったぽいよ! 有馬で」
筆者「えっ? 川田騎手のアブミはまだ完成してませんけど? 何を使ったんですか?」
武豊「それがさぁ、俺のアルミの黒いヤツを『使っても良いですか?』って言うから、俺のやったけど(笑)、『別にええよ』って。そしたら、どーも有馬で使ったらしいわ!」
武豊から皆様へ
ジョッキーとして、これまでは市販品を普通に使うのが当たり前でしたが、日本のモノ作りの現場を見て「アブミが作れるんじゃないか?」と。
騎手が世界で初めて監修し、サイズ感もそうですし「何が重要なのか?」「アブミの目的は何なのか?」とこだわり、メーカーの方々とも妥協ない議論を繰り返してきました。
プロジェクトスタートして1年半。今では川田将雅騎手も興味を示し、私もそうですが、将雅も「こんなにアブミ1つで追い方が変わったり、騎乗フォームが変わると思わなかった」と実感しております。
近年の日本馬の強さとともに、我々も探究心と向上心を持って、さらなる世界への飛躍に挑戦していきます!
筆者から皆様へ
断腸の思いで本連載の休止となりますが、この先も武豊アブミプロジェクトは続きます。調教用、乗馬用など、武豊氏の頭の中にはアイデアが満載です。
騎手が騎乗中に、自分の体重を乗せている唯一の馬具がアブミであり、武豊氏は常々「安心(ちゃんと騎手が監修した馬具)と安全(Made in Japan)がキーワードだね」と話しています。
この先も変わらないコンセプトで作り続けていきます。
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