真夏の日差しの下、騎手と子供たちのはしゃぐ声が黄金色の稲穂を揺らした。
2日、高知県南国市で高知競馬の騎手と地元の子供たちが新米の収穫を行った。今年で5年目を迎えるこのイ
ベントの発起人は、
赤岡修次騎手(高知)。2007年、ワールド
スーパージョッキーズシリーズ(現・
ワールドオールスタージョッキーズ)で総合3位となったのをきっかけに、特別支援学校の生徒を舞台観劇に招待するなど社会活動を始めた。このイ
ベントもその一環。競馬ファンであり、赤岡騎手のファンでもある南国市の農家・吉本正仁さんが水田を提供し、春には騎手と子供たちとで田植えを行った。
この日は赤岡騎手、
永森大智騎手、
宮川実騎手、
別府真衣騎手ら高知競馬の騎手とNPO法人高知市こども劇場の子供たちがペアになり、子供たちは自分の背丈ほどの稲を鎌を使って刈ったり、コンバインに乗車して機械刈りを体験。稲刈りの合間に田んぼでトンボやカエルを見つけると、子供たちは嬉しそうにはしゃいだ。こうして収穫された新米は「
ファーストキッス」(命名:赤岡騎手)と呼ばれ、高知市内の特別支援学校や児童福祉施設に提供される。
赤岡騎手は汗を拭いながら笑顔でこう話した。
「高知でも子供たちがこういった体験ができるところはあまりないですからね。毎年恒例のイ
ベントになってくれて嬉しいです。参加してくれた家族で
高知競馬場に応援に来てくれる人もいるみたいなんです」
社会活動だけでなく、一時は廃止の危機に追い込まれた高知競馬のPRという側面も持つのだろう。
ファーストキッスは上述の施設のほか、
高知競馬場、
水沢競馬場、
園田競馬場でファンにプレゼントされる予定。(いずれも日時未定。詳しくは各競馬場HPへ)
(取材・写真:大恵陽子)