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笠松に残った騎手達、黙々攻め馬に励む日々

  • 2021年05月09日(日) 07時02分
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 「残ったのは俺たち10人だけだよ」。笠松競馬の騎手たちは再開を信じて、黙々と攻め馬に励んでいた。4カ月間も実戦から遠ざかり、レース勘を失わないように、若手騎手は3頭による「併せ馬」の形で騎乗するなど前向きに取り組んでいた。
 
 馬券の不正購入問題で、所属騎手は計8人が去った。1年前、騎手数は17人で既に全国最少だったが、さらに半分近くに減ってしまった。

 調教師では3人が競馬関与停止(2~5年)、1人が調教停止(90日)になり、計4厩舎にも激震が走った。厩舎のトップを失ったことで、管理されていた馬や厩務員たちも一時的に宙に浮く状態になったのだ。

 所属馬を他の調教師に管理変更していないと調教ができなくなった。馬と厩務員が一緒に他厩舎へ移籍する形が望ましいが、引退・転厩など馬の処遇は馬主が決めることである。通常、厩務員は1人で4、5頭の馬を担当するが、移籍が決まっても「2、3頭でも残してもらえた人はいいが...。(生活は厳しくなるが)辛抱して頑張っていきたい」などと意欲。内部崩壊の状態で真面目に働いてきた人たちも苦難の日々が続く。

 夜明け前からの攻め馬にも大きな影響を及ぼしている。「引退」5人が騎乗していた計120~130頭の攻め馬はできなくなった。残った騎手で全体をカバーするのは難しい現状。調教タイムは午前1時半から9時ごろまで。15分刻みで1時間に4頭ほど騎乗していたが、間隔を詰めてびっしりと。騎手不足の中、限られた時間内で攻め馬を精力的に続けている。

 3頭で併せ馬のように騎乗していたのは、水野翔、渡辺竜也、長江慶悟騎手の若手3人。それぞれの攻め馬の頭数は増えており、これまで1人25頭ほどだったのが、渡辺騎手は33頭、長江騎手は28頭ほどに騎乗。藤原、東川、深沢騎手らも真剣に攻め馬に励み、笑顔も時折見られた。騎手不足のため、組合では調教厩務員らの力を借りたいとのことだったが、「好きです! 笠松競馬」のTシャツ姿で騎乗していた者もいた。

 現場では「けがなどで休んでいる騎手はいない」と聞いたが、調教中でも事故は起こる。ここ1、2年は松本剛志騎手や東川慎騎手らがレース中の事故で長期欠場。現状では開催日にけが人が1人でも出たら騎乗変更は厳しく、出走が「即アウト」に可能性も。フルゲート12頭立てには程遠い6~7頭立てのレースが増えそうだ。
ネタ元のURL
https://www.gifu-np.co.jp/tokusyu/play/keiba/210508-67976_9.html

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