3着まで
秋華賞(GI)に優先出走権が与えられる
トライアル、
紫苑S(GIII・中山芝2000m)に美浦から出走予定の注目馬について、管理する各調教師のコメント。
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ホウオウパフューム(牝3・美浦・
奥村武)について、奥村調教師。
「2走前(
フローラS・GII・8着)は
トライアルの重賞ということもあり、人の方が気持ちが入り過ぎてオーバーワークになってしまったのか、左手前の走りがスムーズな馬なので右回りのコースの方が良かったのか…。正直言って敗因ははっきりわかりません。
だいぶカッカしなくなってきて、精神面で成長してきたのは良いですね。先週しっかりやっていますし、今週はやり過ぎず微調整程度で半マイルから終い重点の追い切りでした。調整はうまくいっています」
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ライジングリーズン(牝3・美浦・
奥村武)について、奥村調教師。
「前走(
ラジオNIKKEI賞・GIII・11着)は前に行く作戦が上手くいかなかっただけで、挑戦した結果ですし仕方ないですね。前走の結果を見ると、やはり脚を溜める競馬の方が合っていそうですね。今週の追い切りも良い動きでしたし、上り調子でタイミング良い時に今回は使えます。競馬で折り合いがつくように、追い切りでは熱くならないよう、ソフトな内容に調整しました。出来れば
ホウオウパフュームと2頭、
秋華賞に出走させられればと思います」
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ポールヴァンドル(牝3・美浦・
上原博之)について、上原調教師。
「前走(かもめ島特別・1000万下・1着)は前につけて楽に抜け出すことができました。勝ち方も良かったですし、春先から力をつけてきて競馬も覚えてきていますね。今週(9/6)の追い切りは時計的にも十分ですし、状態も良いです。前走と同じように良い競馬をして、GIに繋がってくれればと思います」
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ルヴォワール(牝3・美浦・
手塚貴久)について、手塚調教師。
「前走(
ミモザ賞・3歳500万下・1着)後はフレグモーネで休みが長引きました。本来はもっと良いと思うので正直やってみないと分からないところはあります。あちこち腫れたりするなど体質的に弱さがある馬で、追い切りの感触は完調にもうひと息という感じもしますが、競馬に向けて良くなってきています。
ただ本来はもっと良いと思いますので、正直やってみないとわからない面はありますが、春先は
オークスに出走させたかったほど能力の高い馬ですし、3歳牝馬同士のレースならやれていいと思います」
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シーズララバイ (牝3・美浦・
竹内正洋)について、竹内調教師。
「前走(
スイートピーS・3歳OP・9着)後は、ここを目標に一息入れました。
オークスは出走させずに放牧先でうまく調整してもらって、素質だけで走っていた頃から比べると、馬に実が入ってきましたし、中間も加減せずに調教することができています。馬体重も430キロ台で出走できるでしょう。
以前、休み明けで出走した
若竹賞(3歳500万下・4着)の時は力んで走っていたので、同じ休み明けの今回は前半からうまく運べれば良いですね。この距離も合っていると思いますし、春より気性面も成長しているので克服してほしいです」
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ブラックオニキス(牝3・美浦・
加藤和宏)について、加藤調教師。
「これまで頑張って走ってくれましたし、夏場は放牧で充電しました。馬体重の増減もほとんどありませんし、見た目には大きな変化はないですが、実際の数字以上に大きく見えるのがこの馬の良さでしょう。開幕週の馬場も対応できると思います。2歳時の夏の疲れがあって走らない時期がありましたが、それが取れてからまた走ったように能力はあります。順調にきていますし、トレーニング自体はちょうど良いと思います」
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ミッシングリンク(牝3・美浦・
斎藤誠)について、斎藤調教師。
「今週(9/6)はさほど強くやる必要が無かったので流す程度の追い切りですが、騎手も馬は出来ていると言っていました。速い脚を使えない馬なので、後ろに脚を使わせるような競馬をしていたら、逃げる形になりました。中山の方が競馬はしやすいと思いますし、開幕週の馬場ですから。あとは自分のペースで運びたいですね。
スタートも速いですし、2000mでは先手も取りやすいでしょう。今回も後続を引きつけるような逃げではなく、淡々と流して後ろに脚を使わせるレースをしてもらいたいです。前走(
いわき特別・4着)は1000万条件で負けていますが、3歳牝馬同士の一戦なら面白いと思います」
(取材・写真:佐々木祥恵)