「
京成杯AH・G3」(10日、中山)
ようやく重賞タイトルを手に入れた。1番人気の
グランシルクが直線外から一気に突き抜けてV。10度目の挑戦で重賞初制覇を決めた。この勝利で
中京記念を制した
ウインガニオンと並び、サマーマイルシリーズ同点優勝に。今後は
マイルCS(11月19日・京都)を最大目標にローテが組まれる。激しい2着争いを制したのは11番人気
ガリバルディ。6番人気
ダノンリバティが3着に続いた。
これまでジリっぽかった4コーナーを抜群の手応えでクリアする。内から6頭分以上の大外を回っても、勢いは
グランシルクが1頭抜きんでていた。直線坂下で先頭を走っていた
マルターズアポジーをとらえると、一気に突き抜けて待望の重賞タイトルを手にした。
「追いだしてからもたもたする印象だったので、早めに動きました」と明かす田辺の騎乗は完璧。これまで重賞で2着2回、3着2回と、勝利までもう一歩のところで足踏みしていた5歳馬を鮮やかに勝利へと導いた。
戸田師も好騎乗を褒める。「完璧に乗ってくれた。全てがうまくいくと、こんなにあっさり勝つものかと。惜敗続きで自信をなくしていたが、声を出す暇もないくらいぶっちぎってくれた」と驚きの表情だ。
それだけに今後のローテについても事情が複雑になった。当初は
スワンS(10月28日・京都)としていた次走を練り直すことに。この路線には
ロゴタイプや
グレーターロンドンなど田辺の騎乗経験がある有力関東馬が他にもいる。できれば引き続き乗ってもらいたいが、「先まで乗ってもらうことを踏まえて(鞍上や次走を)調整したい」と話した。
いずれにせよ夏のマイル王が目指すのは、
マイルCSでの秋のマイル王の称号獲得。“善戦マン”から脱した
ステイゴールド産駒が、いまだ混戦のマイル界制圧に名乗りを上げた。
提供:デイリースポーツ