史上4頭目の牝馬によるダービーVを狙うサトノレイナスの里見治オーナーは、西川賢オーナー(中山馬主協会会長)との対談で胸中を激白。異例のダービー挑戦への経緯、そこに懸ける執念、今後への展望を語り尽くした。
西川賢オーナー(以下、西)「牝馬では7年ぶりとなるダービーに挑戦します。どんな経緯だったのですか?」
里見治オーナー(以下、里)「正直言って、私はオークスでもいいと思っていたけど、もともと国枝調教師はダービーに行かせたいという思いがあったらしく、皐月賞、ダービー、菊花賞とエントリーしてあった。それはもうダービーを勝てれば、こんな名誉なことはない。懸けてみようと」
西「昨年のダービー11着に敗れたサトノフラッグの全妹で、言わば兄のリベンジですね」
里「もちろんそれもありますが、私としては16年にサトノダイヤモンドが負けて、それも落鉄していての鼻差。あれだけ悔しい思いをしたことはない。リベンジを果たしてほしい思いが、正直言ってありますよ」
西「競馬ファンにはウキウキドキドキ。馬主としては最高にドラマチックなシナリオで、勝ってほしいですね」
里「もしダービーで勝ったら、はっきり言えば(秋は)菊花賞ということも。走りっぷり、レース後に上がってきた馬の息遣いとか含めて、これなら3000メートルも持つという自信が調教師も騎手も持てるのなら、そういうこともあるかなと思います」
西「凱旋門賞など海外挑戦についてはいかがお考えですか?」
里「凱旋門賞は考えていません。なぜと言うと、ダイヤモンドのトラウマがあって、4歳時に遠征してボロボロになり、なかなか立ち直れなかった。引退前の最後の挑戦とかでならありかなと思うけど、少なくとも4歳の時は、牡馬だろうと牝馬だろうと、凱旋門賞には行かせたくないなと。だからまだ、ドバイとか香港の方がチャンスはあるかなと思う」
西「それにしてもダービーへの思い入れの強さを感じます」
里「それこそ先日、(屈腱炎による)2年3か月の休み明けで勝ったサトノジェネシス。あの馬は絶対にダービー勝てると思っていたんです。ほとんど馬なりでゆりかもめ賞(19年2月)を勝って、これはヨシいけるな、と思ったら故障してしまった。全兄のダイヤモンドより能力はあるかもしれないし、もう少し現役で走らせて、種牡馬にしてみたい思いはあるんですよ」
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