今年の日本ダービー。乗り代わり騎手は勝てないというジンクスに迫った。
単なる偶然とは思えないジンクスがある。青葉賞組からダービー馬が誕生しないのも不思議だが、こちらも不思議。乗り代わった騎手が30年以上も勝っていないのだ。最近でいえば20年サトノフラッグの武豊(4番人気11着)、19年サートゥルナーリアのレーン(1番人気4着)らが、大きな壁にはね返されてきた。
過去87回で乗り代わり騎手の勝利は過去3度の初騎乗Vを含めて6度。ただ、そのほとんどが創成期で、直近は岡部幸雄から代わった加藤和宏がシリウスシンボリで制した1985年までさかのぼる。そもそも乗り代わりが少ないレースではあるが、他の三冠レースでいえば皐月賞は過去10年で3度の乗り代わりVがあって、菊花賞も1度ある。さらに全G1でも過去10年で乗り代わりVがないのはダービーだけだ。
「どっちがいいかは調教師としては複雑かな。よっぽど癖の悪い馬なら同じ鞍上の方がいいけど、乗り代わりの方が思い切りの良さが出ることもあるからね」
こう話すのは、2000年にアグネスフライトでダービーを制した河内師。騎手時代は乗り代わりでも挑戦している経験を踏まえても、どちらが正解かは言えないという。また、11年にサダムパテックを出走させた西園師もほぼ同意見。「昔と違って映像で確認できる時代だから、テン乗りでも影響はないと思うよ。それより乗り代わりで新味が出ることがあるからプラスの方が大きい気がするよ」。使う側としては、ジンクスがあっても乗り代わりはいとわないという考えのようだ。
今年のダービーは、初騎乗8人を含めて17頭中10頭が乗り代わり。10頭はダービーが18頭立てになった92年以降最多タイだが、同じ10頭だった06年はフルゲートだけに、継続騎乗の数でいえば今年の方が少ない。つまり、勝利の権利があるのは7頭だけなのか、それとも…。92年以降初のフルゲート割れとなった今年、歴史が動くか。
【日本ダービー乗り代わりV】(年、馬名、騎手、前走騎手の順。☆は初騎乗)
1934フレーモア ☆大久保亀治←二本柳勇
36トクマサ ☆伊藤正四郎←岩佐宗五郎
49タチカゼ 近藤武夫←伊藤修司
54ゴールデンウエーブ ☆岩下密政←蛯名武五郎
60コダマ 栗田勝←渡辺正人
85シリウスシンボリ 加藤和宏←岡部幸雄
- ネタ元のURL
- https://www.chunichi.co.jp/article/262461?rct=horse