「
毎日王冠、G2」(8日、東京)
G1馬5頭がそろった豪華な一戦は、3番人気の
リアルスティールが豪快に抜け出しV。1分45秒6のタイムで昨春の
ドバイターフ以来、国内では15年の
共同通信杯以来のタイトルをゲット。
天皇賞・秋(29日・東京)の優先出走権を獲得した。鞍上のM・デムーロは先週の
スプリンターズSに続く2週連続Vで、自己最多タイのJRA重賞年間13勝目。5番人気
サトノアラジンが首差2着。3着に4番人気
グレーターロンドンが入った。2番人気
マカヒキは6着、1番人気
ソウルスターリングは8着に敗れた。
陣営のメラメラ燃える執念に応え、
リアルスティールが鮮やかな復活劇を演じた。序盤は5頭が密集する先行グループから、距離を置いた中団で折り合いに専念。直線半ば、外から
サトノアラジンが来たのを見て
ゴーサイン。鞍上の完璧なリードがキラリと光った。
M・デムーロは昨秋の天皇賞2着以来、2回目のコンビ。2週前の追い切りに騎乗し、はっきりと違いを感じていた。「去年とは状態が全然違った。掛かる馬だが、きょうは落ち着いていて道中の手応えも楽。G1のようなメンバーで、きれいな勝ち方ができたね」と相棒をたたえた。
春は
ドバイターフ・UAE・G1連覇を目指したが、外傷性鼻出血で断念。矢作師は「砂嵐で粘膜が傷ついたもの。肺出血と違い、本当は使えたんです。
安田記念も考えたが、春は今ひとつしっくりこなかった」と振り返ったが、「(今回は)状態がすごく良く自信はあった。このメンバーで勝ったのは価値がある」。これまでのモヤモヤを晴らし、すがすがしい表情だ。
注目の今後だが、もちろん
天皇賞・秋が最有力。鞍上も「ずっと乗りたい馬」とほれ込むが、自身は
宝塚記念Vの
サトノクラウンもいる。もう一つの選択肢が米国ブ
リーダーズCマイルだ。指揮官は「今年は西海岸の
デルマーで、欧州馬は遠征が大変。賞金も魅力だし、
天皇賞・秋より勝つ可能性は高いと思うが、いろんな意味で無事な馬ではない。様子を見つつ、鞍上を含めてオーナーサイドと相談します」と慎重に話した。しばらくうれしい悩みが続く。
提供:デイリースポーツ