昨年12月7日にケンプトン競馬場で行われた薬物検査で、禁止薬物の使用が発覚したグラハム・
ギボンズ騎手(36歳)に対し、10月5日に統括団体のBHAから、2019年6月8日まで2年半にわたる騎乗停止処分が通達された。
2016年は年間で93勝を挙げ、リーディング15位に入ったギボンズ。これで8シーズン続けて年間60勝以上を挙げ、15年にアジャヤで制したG2ジムクラックSなど8つの重賞を制するなど、英国北部を拠点にフリーランスとして騎乗している騎手の中ではトップクラスの実績を誇るのがギボンズだ。
昨年12月7日にケンプトン競馬場で行われたメイドン(AW8F)で、マイケル・
スタウト厩舎のボタンアップ(牝2)に騎乗して6着に終わった後、抜き打ち的に行われた薬物検査で、ギボンズから採取した尿から、コカインの代謝生成物であるベンゾイルエコグインを検出した。
禁止薬物の摂取発覚だけでも罰則の対象になる上に、あろうことかギボンズは現場で、同様にして抜き打ち検査の対象となった見習い騎手コーラム・シェ
ファードが提出した尿と、自分の尿をすり替えるという所業に及んでいたことが判明。BHAが定めた規範規定にも抵触したとして、2年半という騎乗停止期間が設定されることになった。
(文:合田直弘)