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深い馬場を能力の高さで乗り切ったハヤブサマカオー/兵庫ジュニアGP回顧(斎藤修)

  • 2017年11月22日(水) 18時00分
 デビューからの2戦とも単騎で逃げて直線では後続を寄せつけず、大差とレコード勝ちだったハヤブサマカオーだけに、当然のように一本かぶりの人気となった。しかし今回は、勝つには勝ったがというレースだった。

 ハヤブサマカオーは、今回もすんなりと先頭に立ってペースを握ったが、向正面では北海道のモリノラスボスに半馬身ほどの差で突かれ、さらにアスターソードも早めに並びかけてきた。たしかに3、4コーナーではまだ手応えは楽だったもの、直線では突き放すことができず、追い比べとなったアスターソードをようやくクビ差でしりぞけたというレース。

 中央での2戦との違いといえば、やはり馬場だろう。「馬場が深くて反応が遅かった」とルメール騎手なでしこ賞は水の浮く足抜きのいい馬場だったのに対し、今回は良馬場。同じダートの1400メートルでも勝ちタイムが4秒4も違えば、コース状態はまったく異なる。

 今回は、1、3、2番人気という、人気どおりの決着となったが、昨年までの過去5年で人気馬が上位を占めたのは、同じく1、3、2番人気という決着だった2015年に一度あるだけ。それ以外の4回は、1番人気は馬券にすらからんでいない。

 3歳春に行われる兵庫チャンピオンシップでも、中央の断然人気馬がまったく力を発揮できずというケースはたびたびある。デビューしてまだ数戦という若馬が、中央とはまったく違う小回りで、しかも砂の質も違うコースで初めて走るというのは、そういうこと。馬場に苦労しながらも勝ちきったハヤブサマカオーは、能力が抜けていたということ。

 良馬場での勝ちタイム1分27秒8は、このレースとしては標準的なもの。このレースの勝ち馬からは、スーニ、ニシケンモノノフという、のちのダートGI/JpnI勝ち馬がでているが、ハヤブサマカオーがそのレベルにあるかどうかは、今後の成長力と、さまざまな環境やコース形態に適応できるかどうかということになるのだろう。

 ほかの中央勢はいずれも1勝馬ということで比較が難しかったが、勝ちタイムが平凡な馬が多い中で、アスターソードは、不良馬場とはいえ京都ダート1200mで1分11秒9。勝ち馬をみずから負かしにいっても最後まで食い下がる底力を見せた。

 地方最先着は、2番人気に支持された北海道のソイカウボーイ。中団を追走し、向正面から仕掛けてきて、メンバー中、上り最速の38秒5で、クビ+2馬身差の3着に入った。門別のダートでは3戦3勝と底を見せていなかったが、今回は展開が忙しく、直線も短かった。門別や大井のような、広くて直線の長いコースでこそというタイプかもしれない。

 ソイカウボーイから4馬身離れての4着にモリノラスボス、5着にリコーパイソンと、北海道勢が3〜5着に入った。特に3コーナーあたりまでは半馬身ほどの差でハヤブサマカオーにプレッシャーをかけ続けたモリノラスボスは、直線で差を広げられたものの、それでも大きくはバテずに1秒1差というのは評価できる。門別では4戦2勝、2着2回で、アタックチャレンジを勝ったまで。さらに5着のリコーパイソンはウィナーズチャレンジ勝ち。ホッカイドウ競馬で重賞は勝てないまでも、上級認定レースで勝ち負けというクラスは層が厚い。この2頭に限らず、このレベルの馬からは、今後南関東やその他の地区に移籍して重賞戦線をにぎわす馬も少なくないと思われる。

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