多くの皆さんと同様、ステイホームでオリンピック中継に熱中している。野球、サッカー、バレーボール、体操に柔道…スポーツ観戦はなんでも好きだが、馬の世界に身を置く者として馬術競技には大いに注目してきた。それだけにJRA所属の戸本一真選手の総合馬術個人4位という成績には大いに感動し、またパワーをいただいた。
総合馬術競技は馬場馬術、クロスカントリー、障害の3種目を同一人馬で戦うもので、非常に高い体力、精神力、技術力を人馬ともに問われる過酷な競技である。日本ではなぜか3位までに入った選手ばかりが称賛されるという特異な文化があって注目度が低いのが残念だが、世界の強豪を相手にしての好成績は驚異的であり、大きな称賛に値する。弟子の坂井瑠星も競馬学校入学前に乗馬を教えてもらっていたようで、戸本選手の指導を受けた競馬関係者は数多い。今後はその高い技術力を馬術界だけでなく、競馬界にも一層還元していただけたら有り難いと思っている。
凱旋門賞に遠征するディープボンドの帯同馬としてフランスに遠征するエントシャイデンの出発準備が進んでいる。8月19日に関西空港から出発して仁川経由でフランクフルトに飛び、20日にシャンティイに到着する予定だ。現地では開成高校の後輩である清水調教師の厩舎でお世話になる。
帯同馬としての役割は重要だが、もちろんそのためだけの遠征ではなく、日本でまだ果たしていない重賞制覇を海外で成し遂げたいという野望を持っての遠征である。まず最初のターゲットは9月12日のパン賞(GIII、ロンシャン、芝1400メートル)。現地でしっかり仕上げてチャレンジしたいと考えている。
■矢作芳人(やはぎ・よしと) 1961(昭和36)年3月20日、東京生まれの60歳。父は大井競馬の矢作和人元調教師。開成高を卒業後、豪州での修業を経て84年に栗東トレセンへ。厩務員、調教助手を経て2005年に厩舎開業。3日現在、JRA通算712勝、重賞50勝(うちGI13勝)。ほかに海外GI3勝、交流GI3勝。
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