東京五輪が終わり、今週から再開する小倉で注目の素質馬がベールを脱ぐ。
15日の小倉5R新馬戦(芝1800)にディープインパクト産駒オールタイムハイ(牡)が出走する。オーナーは父を育てた匠こと本紙評論家の元JRA調教師・池江泰郎氏(80)。同馬を管理するのが長男・池江泰寿師、鞍上はディープの主戦ジョッキー武豊だ。魅力あふれる結束力で来春のクラシックに向けて第一歩を踏み出す。
五輪イヤーにふさわしい若駒が今週デビューする。その名はオールタイムハイ。馬名の由来であり、込められた願いは、最高記録が出ますように…。
馬主は本紙G1予想で、おなじみの匠こと池江泰郎氏。ディープインパクトを育てた名伯楽である。同馬を管理するのが長男の池江泰寿師、ディープの主戦ジョッキーでもある武豊が騎乗する。そして父がディープインパクト。ファンにとっては自然とワクワクしてくる注目の一頭だ。
オーナーの池江氏は調教師を定年引退後「楽しみがあるように」とJRA馬主となり、繁殖牝馬のミリアグラシア(現役3勝)を購入。オールタイムハイが3番目の産駒となる。初めて見た時の印象について池江氏は「形のいい馬だなと思いました。毛色や顔もサンデーサイレンスに似た馬だなと。父よりも、おじいちゃんに似ていると感じました」と祖父の姿をダブらせる。
初子クレアーレ(牡4、父ディープインパクト)はJRAで未勝利だったが、地方園田に移籍し、今春3勝を挙げ、再び中央に復帰(現在放牧中)する。2番子サトノクリーチャー(牡3、同)は初戦、鮮やかな差し切り勝ちを決めたが、脚元を故障し引退。そして3番子オールタイムハイは当歳時から不思議な光りを放ち始めた。
ディープを育てた池江氏が祖父にあたる伝説の名馬に思いを馳せるほどである。
「胴も長めで跳びの大きい馬。馬っぷりもいいね」
栗東入厩後、じっくり乗り込み、態勢は整いつつある。「厩舎に預ければ、私は任せているだけ。まずは無事に回ってきて、それで結果がついてくれば。楽しみにしています」
池江氏は現役時と同様に大らかな心で孫を見守るような優しい視線を注ぐ。19年7月、天国に旅立ったディープインパクトが育ての親に送り届けた最後の忘れ形見が、オールタイムハイなのかもしれない。今週のデビュー戦、いきなり金メダル奪取なら夢が膨らむスター候補生の誕生となる。
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