札幌記念・G2(22日、札幌)で初めて古馬と対戦するソダシは、昨年7月のデビューから全6戦で吉田隼人騎手(37)=美浦・フリー=とコンビを組んできた。吉田隼はソダシの伯母ユキチャンなど、同じ牝系で計8勝を挙げてきた白毛騎乗の名手。オークス8着からの復権へ心強いパートナーだ。
ソダシの背にはいつも吉田隼の姿がある。デビューから全6戦で手綱を執ってきた主戦である一方、シラユキヒメから始まる一族についても、最大の理解者と言っても過言ではない男だ。白毛馬はこれまでソダシのほかシロクン、ユキチャン、マーブルケーキなど6頭に騎乗し、計15戦で8勝。「この血統は、口向きや歩様が硬い感じがする」と共通イメージを挙げるが、ソダシに関してだけは、違った印象を持ち合わせている。
初めてコンタクトをとったのはデビュー前。またがってすぐに「馬がしっかりしている」と感じたという。他の白毛とは明らかに違う感覚に走る手応えをつかんだが、もう一つの特徴でもある「走ることに前向きで真面目」な一面が、常に「危うさ」をはらんでいるとも指摘する。
「桜花賞でもスムーズに走っているように見えて、道中(ハミを)かんでいるんです。ゲートも出ていますが、突進するようなところもあって。紙一重です。ソダシは白毛のなかでは扱いやすいけど、難しい部分はやっぱりある。だからゲートなんかもしつこくやるようにしました」。レースぶりは一見、優等生だが、一族に見られる気性の難しさやゲート難を知るからこそ、ソダシの内面に潜む変化を敏感に察知し、未然に防いできた。
11日の1週前追い切りで久々にコンタクト。8着に敗れた5月のオークス以来、約2か月半ぶりの手綱だったが、やはり別格の能力を感じ取った。「動きはさすが。落ち着きも出てきました。ひと夏を越えた成長を見たいですね」。北の大地から始まる伝説の第2章。白毛を熟知する男の手綱も、ソダシが新たな輝きを放つうえで欠かせない要素のひとつだ。(松末守司)
◆吉田 隼人(よしだ・はやと)1983年12月20日、茨城県出身。37歳。2004年3月にデビューし、JRA通算1020勝。JRA重賞は15年有馬記念(ゴールドアクター)とソダシでの阪神JF、桜花賞のG1・3勝を含む21勝。所属は美浦だが、18年10月から栗東に腰を据えている。昨年はデビュー17年目でキャリアハイの91勝。
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