安堵(あんど)の表情が、重圧から解放されたことを物語っていた。引退レースの
有馬記念で有終Vを飾った
キタサンブラックは、25日午前2時前に栗東トレセンに帰厩した。史上5頭目のJRA・G1・7勝目を達成したが、激闘の疲れも見せず、馬房で元気な姿を披露。担当の辻田厩務員は「普段と変わらないです。カイバをつけたら食べてくれましたしね」と愛馬の様子を伝えた。
ゲートまで付き添ったため、レースは移動バスの小さいモニターと実況が頼りだった。「決めてくれてすごい馬。心に来るものはありました。ホッとしたというのが強いですね」。ファン投票1位に応えたラストランを感慨深げに振り返った。
15年1月デビューから3年間の現役生活を終え、「丈夫で、優等生で、
パワーもあって、優しくて、いつも驚かされていました。“持っている”馬でスター性もありました」と感心する。一番印象的なレースを聞かれ、「うれしいという部分では
菊花賞。初G1でしたしね」と目尻を下げた。
来年1月7日に、京都競馬場で引退式を行う。それまでは厩舎で調整予定で「競馬に向けて追い込むことがないし、接し方が変わるかもしれないです」と笑う。引退式後は北海道安平町の社台スタリオン
ステーションで種牡馬入りし、21年にも2世が誕生。「子どももぜひやってみたい」と目を輝かせていた。
提供:デイリースポーツ