「
ホープフルS・G1」(28日、中山)
今年からG1に昇格したオーラスの一番は、1番人気の
タイムフライヤーが大外を一気に突き抜けて完勝。初代王者に輝いた。鞍上のC・デムーロは13年
桜花賞(
アユサン)以来のJRA・G1制覇を達成するとともに、短期騎手免許取得期間内での重賞最多勝タイ記録(4勝)をマーク。2着には4番人気の
ジャンダルムが粘り込み、3着に8番人気の
ステイフーリッシュが入った。
豪脚が北風舞い踊る中山の直線を切り裂いた。G1昇格元年。今年最後の大舞台は若きヒーロー・
タイムフライヤーが締めくくった。
スタートで遅れて想定外の後方からとなったが、鞍上は慌てなかった。「自在性があって乗りやすいので、すぐに切り替えて後ろからじっくりと末脚をためた」とC・デムーロ。3角手前で徐々に外めから上昇したが、ここからが好判断だった。「直線で前が密集してスペースがなくなるのを心配したが、すぐ前にユタカさんがいたし、この馬ならついて行っても大丈夫」。4角で大外へ持ち出した
武豊=
ジャンダルムを追うように、相棒を大外へ導く。馬体をそろえるように急坂を駆け上がってきたが、最後はグイッとひと伸びして1馬身1/4差。モノが違っていた。
自らのミスをすぐに取り返した。前走の
京都2歳Sは頭差の2着。「抜け出すのが早くて目標にされた分。ボクのミス」と鞍上は振り返り、今回の快勝劇に「“これがG1を勝つ瞬間か”と思いながら追った」と笑顔が全開だ。阪神競馬場で勝利を確認した松田師も「
皐月賞と同じ舞台なので、オーナーに無理を言って使わせてもらった。勝てて良かった」と、自身にとって4年ぶり(13年
ジャパンCダート=
ベルシャザール)のG1制覇を喜んだ。
日本のG1は13年
桜花賞(
アユサン)以来2勝目となった鞍上。今年は
ブラムトで仏ダービー&2000ギニーを制するなど活躍している。「
グッドイヤー。最後のG1を勝てて良かった。これでゆっくり寝られるよ」とおどけた。
クラシック1冠目と同じ舞台を制した“初代王者”は、ひとまず宮城県の山元トレセンで充電予定。始動戦は未定だが、来春が楽しみになったのは間違いない。コンビ続行を聞かれると、イ
タリアの若き名手は「
オフコース!また乗せてもらいたいね」とアピールも忘れなかった。
提供:デイリースポーツ