3月25日にアメリカで行われた、ファシグティプトン・フロリダセールにおいて、日本の佐山優厩舎に所属したヒシアスペン(牝9)の2歳牡馬(父バーナーディニ)が160万ドル(約1億5000万円)で落札され、この日のセールでトップとなった。
生産者はヒシの冠名で知られる阿部雅一郎氏。昨年のジュライイヤリングセールで今回の販売者でもあるピンフッカー(1歳馬を購入して鍛えて2歳セールで高く売る業者)に25万ドル(当時約2000万円)で購入されていた。
母のヒシアスペンは日本で3勝。秋華賞に出走している(最下位)。2歳牡馬はヒシアスペンの初仔にあたり、ほかに1歳牝馬(父コリンシアン)がいる。ヒシアスペンの祖母が米G2(当時)勝ち馬のノーザンアスペン、曾祖母がG1勝ち馬で日本輸入種牡馬ティンバーカントリーの母、ドバイWC勝ち馬ドバイミレニアムの祖母でもあるフォールアスペン。
【補足】
ヒシの冠名で日本で走った牝馬の産駒がアメリカのセールで最高額で落札されました。日本人バイヤーが最高額で落札することは過去ままありましたが、日本人生産馬が買われるケースは珍しいのではないでしょうか。
今回160万ドルで落札された仔を産んだヒシアスペンは3歳夏に函館ダート1700で未勝利から3連勝。とはいえダート馬ゆえにダイワスカーレットが勝った秋華賞でもあまり人気にならず最下位に終わり、その後は掲示板にも載れずに翌年ひっそりと引退しました。ですので、名前を聞いてもあまりピンとこない方が多いかもしれません。
引退後は阿部氏所有のままアメリカで繁殖入りし、おそらくヒシアマゾンなどとともにテイラーメイドファームで繋養されていると思われます。桜花賞馬レジネッタも属する、名牝フォールアスペンの一族ですので、繁殖牝馬としての価値は相応に高いはずです。初仔であるバーナーディニの牡馬も1歳時ですでにセールのトップ10で落札される高評価で、それが2歳セールではさらに高い評価を得るまでに鍛えられました。
高額で落札されたからかならず走るわけではありませんが、この評価に違わぬ出世でアメリカ競馬で活躍してくれることを期待したいですね。
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