今年のオークス。無観客だった2020年と異なり、海上自衛隊東京音楽隊によるファンファーレの生演奏があり、演奏の後、東京競馬場に大きな拍手が響きました。これだけでも、昨年とは全く違う高揚感があったことをよく覚えています。
演奏者が違えばそれぞれに個性が出るもの。JRAのホームページにある開催ごとのイベント情報には、各G?で生ファンファーレを担当するグループが公表されます。
第3回中山開催の情報では、皐月賞が「光ウィンドオーケストラメンバーによる生ファンファーレ」と紹介されてました。
文化芸術を愛しながらも、日頃の研さんの成果を披露する機会を奪われてしまった人々が、今も世にあふれているコロナ禍の日本。中山競馬場のウイナーズサークルで拍手に包まれるまでの道も、決して平坦ではなかったはず。
JRAのサイトによると、光ウィンドオーケストラは「千葉県東部地域の吹奏楽経験者を中心に構成され、山武郡横芝光町を拠点に活動している吹奏楽団」となってます。コロナ禍が世界に影を落とす直前の19年には、第67回全日本吹奏楽コンクールで金賞を受賞。現在は団員約130人で、千葉県内でも最大規模の社会人吹奏楽団です。
毎週土曜の練習をベースに、毎年2月に主催する地元でのコンサート、夏のコンクールといったイベントが活動の柱となっています。しかし、コロナ禍の影響でこうした「柱」が軒並み倒れてしまったのが昨年でした。
そんな中でも、団の土台が崩れなかったのは「地元の横芝光町の協力が大きかった」といいます。「横芝光町の協力で、イベントはできなくても、練習をさせてもらうことができました。20人くらいから練習を再開して、今では60人くらいの規模になっています。団員はみんな辞めなかったですし、結束、絆はコロナ禍の状況でも深まったと思います」
今年1月、再度の緊急事態宣言でまたも練習ができなくなってしまった頃に舞い込んだのが「皐月賞のファンファーレ演奏」のオファーでした。オファーを出したJRAの担当者が、かつて高校教員だった佐藤音楽監督の教え子という縁もあったそうです。
佐藤さんはグリーングラス、神尾さんはオグリキャップやメジロマックイーンに魅せられたと語るように、メンバーには競馬ファンも少なくないらしい光ウィンドオーケストラ。「G?なんてすごい舞台ですし、メンバーのみんなもビックリしていました」
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