軽種馬について子どもたちが学ぶ「ひだか馬キッズ探検隊」最終回のプログラムが28日、新ひだか町の地域交流センターピュアプラザで開かれ、小学4年から高校1年まで11人が参加し、馬を牧草地へ放牧するときに使う「もくし(頭絡)づくり」に挑戦した。
昨年5月から計9回の通年プログラムで、馬産地ならではの魅力を発信して交流人口増などを図る「馬力本願プロジェクト」の一環。
これまで町内外の乗馬、競走馬生産・育成施設や
門別競馬場などを見学したり、
JRAの角居勝彦調教師(栗東)らを講師に迎えて身近にいる馬について知識を深めてきた。
最終回は、静内農業高馬術部で長年指導にあたってきた桜丘小職員の池田幸治さん(62)が講師を務め、池田さんが約20年前に独自に考案し、高校生にも作り方を教えてきたロープによる当歳馬用のもくしづくりを行った。
子どもたちは長さ4.6メートル、太さ6ミリのロープとリングを使って結び方などを学び、町職員らのサポートを受けながらもくしを作成。
池田さんは「輸入物の革やナイロン製のもくしを使う生産者が増えていて、肌に優しいロープを使う生産者は減ってきているので、もくしの文化を子どもたちに伝承する良い機会になった」と話していた。
もくしづくりを体験した本間駿名さん(桜丘小6年)は「(結び目の)だんごや長さを見るのが難しかった。図工は苦手だけどこれは上手くできました」、子どもたちのサポートに当たった元静内農高馬術部の田中拓人君(生産科学科3年)は「高校生よりも覚えるのが早い子どももいて感心しました」とそれぞれ感想を話していた。
もくしづくりの後は、1年間の活動を動画で振り返りながら、一人ひとりがミニ作文で学習の成果を発表し合った。
探検隊の仕掛け人で、町の地域おこし協力隊の糸井郁美さんは「初めての試みで慣れない中、子どもたちは意欲的に馬について学んでくれた。馬に乗れなかった子どもが乗れるようになったり、自分たちで馬のことを調べるようになったりと、馬に関わることで将来の可能性が広がったと思う」とし、「今後も定期的に勉強する機会を作っていきたいし、来年度も探検隊を継続させたい」と抱負を話していた。
日高報知新聞社