3日夜に行われた今年の凱旋門賞も結果だけ見れば、日本馬は完敗だった。
レース前日から当日朝まで降り続いた雨でぬかるんだ馬場。2分37秒台の決着を制したのはドイツ調教馬トルカータータッソ(牡4、M・ヴァイス、父アドラーフルーク)だった。
凱旋門賞が終わった今、8月末に欧州から流れてきたあるニュースをあらためて噛みしめている。「昨年の凱旋門賞2着馬インスウープの種牡馬入り」。7月のサンクルー大賞でブルームの4着に敗れた後、故障が判明し、引退が決まっていた。このニュースに驚いたのは、報じられた繋養先が意外だったから。クールモアで“ナショナルハント(障害競走)用種牡馬”になるということだった。
インスウープはシュレンダーハン牧場が所有するドイツ血統のフランス調教馬。父アドラーフルークは独ダービー馬、母イオタは独オークス馬という良血馬だった。昨年の独ダービーを制し、不良馬場の凱旋門賞ではソットサスの2着。これだけの実績があるのに、平地競走向けの種牡馬ではなく、ナショナルハント用の種牡馬になるとは…(※欧州では障害競走自体は平地競走以上に人気がある。ただ、レースの賞金面や種付け料などは平地に対し、はるかに劣っている)。
このニュースで認識させられるのは、凱旋門賞を好走したことは、持久力の証明にはなるが、現在の欧州で平地競走の種牡馬の価値向上にはあまりつながっていないのが実情だということ。
これは凱旋門賞に限ったことではない。クールモアスタッドのホームページで「ナショナルハント」(障害競走)用種牡馬のページを見てみると、よく分かる。
まず、目に入る馬はクリスタルオーシャン(牡7、父シーザスターズ)だろう。2019年にキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(2着)でエネイブルと死闘を演じた馬。レーティング128で「ロンジン・ワールド・ベスト・レースホース・ランキング」の首位タイ(他にエネイブル、ヴァルトガイスト)に輝いたほどの馬も、供用開始の昨年からクールモアで障害競走用種牡馬となっている。
17年に愛ダービー&英セントレジャーを制し、18年のジャパンCへやってきた(11着)カプリ(牡7、父ガリレオ)、同じく17年のジャパンCで5着だったアイダホ(牡8、父ガリレオ)、パリ大賞を勝ったキューガーデンズ(牡6、父ガリレオ)・・・以下略。
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