2冠を目指す白毛の桜花賞馬ソダシが話題の中心だが、その2着に3度も敗れたクリストフ・ルメール騎手(42)=栗東・フリー=や、福永祐一騎手(44)=同=らライバルとなるジョッキーが、対戦経験を基にすごさを語った。その強さを認めつつ、Vへの意欲を燃やしている。
白い背中は近そうで遠い。だからこそ、誰よりも強さが分かっている。これまで、ルメールはソダシの2着が3度もある。ククナのアルテミスSでは影を踏むこともできず、サトノレイナスの阪神JFと桜花賞では直線で差を詰めながらも鼻、首差の惜敗。「本当に強い馬ですね。瞬発力というタイプではなく、すごくタフ。直線で止まりません。私も何度かG1で競り合って、惜しかったです」とライバルを分析する。
その走りにある名馬が頭をよぎった。「今まで乗ってきた馬では、ダイワメジャーっぽい。ああいった感じのしぶとさがあるイメージ。そして、競り合いになると、とても強い。もちろんいいスピードもありますね」。G1・5勝の名マイラーには05年のマイルCSで騎乗。鼻差の2着だったものの、肉を切らせて骨を断つような先行策で持ち味を存分に引き出した。
秋華賞では、未勝利、フェアリーSと騎乗時2戦2勝のファインルージュとコンビ再結成。1週前追い切りにまたがり、「心身ともに充実している。春よりもパワーアップしている」と手応えを得た。「強いソダシに勝てるように頑張りたいです」と前を向いたルメール。大一番を知り尽くす名手が今度こそ“白い壁”を突き破る。(山本 武志)
<福永「完成度高い」>
間近で衝撃を体感した。福永はファインルージュに騎乗した桜花賞で、ソダシの直後でマークしながら、直線ではいったん突き放されて盛り返したが、0秒1差3着。ソダシの勝ち時計は1分31秒1のコースレコードだった。「あれはすごいね。白毛と栗毛はスピード決着が苦手なイメージがあったんだけど」と振り返る。
ソダシの強さの源を「完成度の高さ」と即答する。「3歳春から馬体がしっかりして、走りっぷりも競馬っぷりも、周りより完成されている」。昨年の3冠騎手で、数々の名牝も知る騎手の言葉には説得力がある。
自身はデビューから騎乗し、トライアルのローズSを快勝したアンドヴァラナウトで挑む。「この馬は一瞬の切れ。ソダシと同じ武器じゃないという点を、うまくやり繰りできれば」
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