<坂口正大元調教師のG1解説>
<秋華賞>◇17日=阪神◇G1◇芝2000メートル◇3歳牝◇出走16頭
ソダシがあんなに負けるとは・・・。考えられません。アクシデントもあったようですが、気性的なものが大きいのかなと思います。というのも、集合合図がかかった時に輪乗り地点からゲート裏へ、ソダシだけが寄りつきませんでした。結局は係員が行って、引っ張ってきました。そういう時は精神的に何かあるものです。
私の管理馬にも何頭かいました。オープンでレコード勝ちしたような走る馬が、ある時はまったくゲートへ寄りつかず、騎手が降りて引っ張ったことがありました。調教でもゴネて、何十分も馬場入りしなかったり、やはり生き物ですから難しい馬はいます。特に、ソダシのような白毛馬というのは、その母ブチコもゲート難がありましたが、遺伝的に難しい面を抱えることが多いかもしれません。
ペースとしては1000メートル通過が61秒2ですから、速くはありません。距離が長かったという負け方でもありません。3コーナーからあれほど押っつける吉田隼騎手は見たことがないです。手応えを感じなかったのでしょう。実力は確かですから、次走での巻き返しを期待したいですが、力を出しきれるかどうか、こればかりは分かりません。
とはいえ、ソダシが敗れても、勝ったのは同じ金子真人オーナー(金子真人HD)の所有馬アカイトリノムスメでした。すごい馬主さんです。単に「馬運がいい」というと失礼でしょう。ソダシもアカイトリも、父も母も母父も金子オーナーが所有した馬です。血統を研究し、何年も先を見て購入されてきた結果でしょう。すごいオーナーです。
これでオークスからの直行馬が4連勝です。以前に、前哨戦を使わないことがスタンダードになる可能性があると書きました。調教技術の進歩、トレセン近郊牧場の施設の充実、そして厩舎と牧場の連携、そのノウハウの蓄積。国枝厩舎はアーモンドアイでも成功を収めましたが、アカイトリも見事な仕上げでした。
2着ファインルージュは強かった紫苑Sの走りを本番でも発揮しました。末脚を生かす競馬が合います。3着アンドヴァラナウトは血統面も含め、これから伸びる馬でしょう。(JRA元調教師)
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