通年ナイター実施で売上げが年々右肩上がりの高知競馬。その高知の二大競馬専門紙『中島競馬号』と『福ちゃん』で印を打っている風間恒一記者と山崎伸浩記者に、難攻不落? と評判の高知競馬攻略法について直撃した。
――いきなりですが、お二人は穴党ですか?
山崎「風間さんはなかなかの穴党ですよね」
風間「いやいや、穴党ではないよ。ただ永森騎手、赤岡騎手みたいな腕達者な騎手が乗っているから印入れた、と思われるのは嫌なだけだよ(笑)。馬の成績が良くて、上手いジョッキーが乗っているからという理由で印をつけるんじゃなくて、ちょっと違う線を模索して予想を組み立てていくだけ。
ウマい馬券に関してはなるべくプラスを出したい、という気持ちがあるから、穴っぽいところを多めに買っておきたいとか、ウマくいかないときが多いけど」(笑)
山崎「この馬は1着が多いけど2着がないとか、2着はあるけど1着がないとか。各馬によって着順のパターンがあるので、穴馬を狙うというよりは買い方を工夫しているということです」
風間「うん。“印をつける事”と“買い方”っていうのは、また全然別物だよね。予想を見てくれるお客さんには、レースが始まるまでにどう楽しんでもらうかを、一番に考えてるかな」
――高知競馬は本当に難しいのですが、予想を当てるコツはどこにあるのでしょうか?
風間「まずローテーションかな。高知の競馬は1週間、2週間経ってから同じメンバーが、同じ距離を一緒に走るケースがよくあってね」
山崎「高知競馬の競走馬のローテーションって基本、2週間に1走なんですね。逆にレース間隔が3週、4週あいてしまっている馬が人気を背負っている場合は、疑ってかかったほうがいいかもしれませんね。明らかにひと叩きしてから、っていう馬が結構いますね」
風間「そうだね、ひと月でも間隔があいている場合は、厩舎に談話を聞きに行くときでも“ひと息入ってますけど、どうですか?”って聞きに行くことが多いかな。
中央競馬だとひと月あいてるっていうのは、むしろ順調じゃない? でも、高知だとひと月あくっていうのは気にしたほうがいい
ファクター。だいたい、休み明け初戦を叩きで使ってくる厩舎が多いかな。クラス編成期とか実力上位馬が、下位条件に出てくる場合もあるので一概にはいえないけど」
山崎「初戦から仕上げてくる厩舎と、仕上げてこない厩舎もありますしね。高知競馬の場合、4月から編成期に入るので、それを見越して3月にひと叩きしてくる馬がいるとか、そうしたケースの見極めも、予想をする上でとても重要だと思います」
――高知競馬はコースによって狙い方が変わったりしますか?
山崎「1400mは外枠が有利ですね。1300mもやや外枠が有利です。どのジョッキーもコーナーの内側をだいたい3mぐらいあけて走らせてますね」
風間「だいたい高知は7〜8割型“外”有利。
中央競馬ファンからしたら、内でロスなく運べずに外回ったらなんでやねん、って怒るかもしれないけど、高知は逆に内に入れちゃうと怒られますね(笑)。それはともかく、例えば揉まれ弱い馬がずっと内枠で結果が出なかったとしても、急に外をひいて、それも隣の馬がそんなに出足のつく馬じゃなかったら、これまでよりも順位が上がってくる可能性があったり。逆に、外でレースをスムーズに運べていた馬が、急に内に入ってしまい、人気でコケる可能性もある。基本は外枠なんだけど、その他の
ファクターと絡めて考えるようにしているかな」
――馬場状態によって狙い方が変わったりしますか?
風間「これが一番厄介。馬場の傾向が日によって違う時があって、外しか来ない日もあれば、内がバンバン来る日もある。そこについてはジョッキーがすごく意識している部分」
山崎「そうですね、雨が降ったりとか、馬場整備を実施したりとか、砂の寄り具合が変わったりしてるんですよね」
風間「一応、高知競馬ホームページで、砂の深さとか発表されているけど、たぶんそこまでアテにならない(笑)。だから今日やたら前が残るなとか、全然前が残らんなとか、実際に現場でレースを見てみて察知するようにはしてるかな」
山崎「騎手はそれに気づくのが一番早くて、当日の馬場によって戦法を変えてきたりするから本当に難しい(笑)。最初は前が残っていたのに、使うごとに前が止まるようになったりとか、馬場だけじゃなくて違う要素も加わって、いろいろ考えることが多すぎて」(笑)
風間「ホント高知競馬は、すごい難しいよね(笑)。イヤになる (笑)。傾向つかめないまま、全レース終わってたなんて日もあるし(笑)。だから高知は基本的に外が有利なんですけど、まずは当日の1レースをしっかり見て、有力馬が内に入ってどんな競馬をしたのか。また、あまり力のない馬が内に入ってどんな競馬をしたのか、それでその日の馬場の傾向をつかんで馬券を組み立てる。重要視しているのはローテ、枠順、馬場の3つだね」
ローテ、枠順、馬場。カギを握る3つのポイントを見極めて、高知競馬を攻略してみませんか? さて、今回登場した『福ちゃん』山崎伸浩記者が『
ウマい馬券』でデビュー。風間記者には負けないと意気込む山崎記者の予想はこちら