「ス
プリングS・G2」(18日、中山)
1番人気の
ステルヴィオが写真判定の末に、執念の重賞初Vを飾った。鼻差Vながら、成長を感じさせるレース運び。打倒
ダノンプレミアムを掲げる本番の
皐月賞(4月15日・中山)へ向けて、陣営は手応えをつかんだ。3番人気2着
エポカドーロ、6番人気3着
マイネルファンロンまでの上位3頭に本番の優先出走権が与えられる。
鞍上が「負けたと思った」と振り返る、執念とも思える鼻差の勝利。昨秋の2戦は
ダノンプレミアムの引き立て役に甘んじてきた
ステルヴィオに、逆転の可能性が見えてきた。
4角を回ったところでは6番手の外。坂を上り切ったところで、先に抜けだした
エポカドーロにはまだ2馬身差ほどあった。そこからの13完歩が執念。1完歩ごとに差を詰め、ゴール板ぴったりで間に合った。「すごくいい脚を使ったね。瞬発力はあるけど、昨年は少し緩かった。今年は良さそう。真っすぐポジションを取りに行ける」とルメール。手綱から伝わる感触にも、ひと皮むけたという手応えが残ったようだ。
その言葉通り、道中の位置取りに進境が見えた。2歳王者に敗れた2戦は極端な後方待機からの差し遅れ。今回は五分に出て中団。向正面からやや押し上げていく余裕もあった。木村師も「今までより前で運べたね。朝日杯(FS)ではレースの流れに乗れていなかったから」とうなずく。好位からの横綱相撲を図るであろうラ
イバルを、後ろから見る位置が取れるなら、違った結果が引き出せる可能性も見えてくる。
上昇余地もたっぷり残る。
タイムフライヤーなどとの兼ね合いもあり、本番も引き続き乗るのかは未確定だが、ルメールは「休み明けだったし、ここは
メインターゲットじゃない。昨年からもっと距離が欲しいと思っていたし、もちろんあと200メートルも大丈夫」と言い切る。“
ダノンプレミアム1強”で迎える牡馬第1冠。この勝利で、逆転候補の筆頭グループにいることを改めて証明したのは間違いない。
提供:デイリースポーツ