「魁!海外馬券塾」(9日)
欧州調教馬による
ケンタッキーダービー初制覇の期待が懸かっていたメンデルスゾーン(牡3歳、愛国)は最下位20着に終わった。スタート直後に他の馬に激しくぶつけられ、田んぼのような不良馬場で猛烈なキック
バックを浴びてしまい、早々に戦意を失ったようだ。
同馬を管理するA・オブライエン師は馬が雰囲気にのまれてしまったとコメントしている。誰よりも大舞台の経験豊富な彼をして、そう言わしめるほどの喧騒の中で行われるのが
ケンタッキーダービーだ。17万人のファンが発する歓声のボリュームはすさまじく、出走馬が向正面からダートコースを歩いてパドックに向かう際には下位人気の馬に至るまで大声援で迎えられる。関係者には一生の記憶に残るほどの名誉な経験だが、馬にはたまったものではない。直前まで別の場所の厩舎に入り、ダービーの1週間前から始まるお祭り騒ぎを避けるのがベストの調整方法だと思う。
2戦目
プリークネスSは、もう来週末(19日・ピムリコ)に迫っている。これもダービーに引けを取らないほど観客の熱気が高いレース。長距離輸送を経ての連戦に耐える肉体的な強さと、熱狂に動じない精神力を兼ね備えた馬でないと、勝負に加われないのが米三冠ロードの厳しさだ。(海外競馬コーディネーター・田中敬太)
提供:デイリースポーツ