いくつかの前哨戦に有力馬が分散する牡馬に対して、牝馬の場合は、阪神JFから
チューリップ賞、
桜花賞という阪神芝1600mでの3連戦に集中する傾向が強い。だが、近年はクイーンCや
きさらぎ賞など別路線組の存在感が増していて、今年は
シンザン記念からの休み明けで
アーモンドアイが
桜花賞を制覇した。この別路線組の台頭は、
桜花賞だけでなく
オークスでも例外ではない。
1.
桜花賞組VS
フローラS組
過去10年の3着以内馬のうち、
桜花賞が18頭、
フローラSが9頭と両レースで大多数を占めている。さらにこの5年間に限定すると、
桜花賞8頭、
フローラS5頭と両者の数は拮抗する。出走頭数の違いを考慮するとほぼ互角の成績を残していると言える。
2.先行馬は恵まれにくい
過去10年の
オークスを先行して連対したのは2頭だけ。
忘れな草賞やフラワーCなどの前哨戦では先行馬に有利になることが多いが、東京のGIはさすがに甘くない。
3.小型馬が頑張れる
過去10年の
桜花賞勝ち馬の平均馬体重が469.0kgであるのに対して、
オークスは454.7kgで、その差14.3kgと開きがある。2014年の
ヌーヴォレコルト(444kg)や2016年の
シンハライト(422kg)が
桜花賞から着順を上げて勝利を挙げたように、小型馬が大型馬と互角以上に戦えるレースである。
サトノワルキューレは
フローラSの勝ち馬。距離は2000mでも短いというタイプで、牝馬には珍しいほど中長距離志向が高い。
フローラSの勝ちタイムはレースレコードで、他に2分を切るタイムで
フローラSを勝ったのは
チェッキーノ(一昨年の
オークス2着)しかいない。辛勝にも見えるが、相手に合わせて脚を使う馬であり、クビ差ながら最後は流していた。
青葉賞で2着する
エタリオウを
ゆきやなぎ賞で負かしているように、この距離では牡馬も含めても上位にランクされる馬だ。この条件での優位は動かしがたい。