スワーヴリチャードが
宝塚記念ではなく、
安田記念に向かうと発表された時、驚かれた方は少なくなかったのでは。かくいう坂路野郎もその一人だ。
しかし、よくよく考えてみれば、舞台は得意の左回り東京。しかも種牡馬になったときの価値を考えれば、スピードもあることの証明となるマイル戦に矛先を向けたのも納得できる選択肢のような…。その一方で、まったく別の理由から、
安田記念に向かったという話もある。
「ミルコは前々から“
宝塚記念は馬場が悪くなることが多いから走らせたくない”と。この前の(
大阪杯の)祝勝会をした時も同じことを言っていたよ。よっぽど
ドゥラメンテのこと(2016年の
宝塚記念で2着好走後に故障が判明して引退)が悪いイメージとして残っているんだろうな」(
スワーヴリチャードを担当する久保淳二助手)
もし、
宝塚記念に使いたくないから、
安田記念に向かうという消極的な出走経緯なら…。他馬にも付け入るスキは十分にありそうだ。
「これだけ成績がハッキリしている馬も珍しいでしょ。右回りはホントダメで、“未勝利をよく勝ち上がれたな”と思うくらい。最近の右回りはもう完全に走るのをやめてしまっているし…」
坂路野郎が穴馬として温めている
ウインガニオンの中家助手の弁だ。その指摘通り、この馬は全8勝のうち7勝が左回り。そして全8勝のうち7勝を6~8月の夏場に稼いでいるのだから、「夏場の左回り限定ホース」と決めつけてしまってもいいのかも。
「なんで夏場がいいのかって? う~ん、冬場でもそこまで毛ヅヤが悪いわけでもないし、稽古も夏場と同じくらい動くんですけど…。結果だけが出ないんですよね。左回りに関しても、稽古の感じでは特に
サウスポーという印象はないんですけど…。結局、そういう癖があるとしか言いようがないですよね。とにかく、癖がすごいんです、この馬は」
6~8月の“確変ゾーン”中に行われる左回りのGI
安田記念はまさに
ウインガニオンにとって最高の舞台。“クセがすごいんじゃ~”では済まない大波乱があるかもしれない。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ