岡山乗馬倶楽部(くらぶ)(岡山県吉備中央町上田西)所属のサラブレッド・タケルブラック(7歳)が、兵庫県三木市で開かれた全日本障害馬術大会(1月14、15日)で初優勝した。競走馬時代は1勝もできずに競馬界を去ったが、乗用馬としての「第二の人生」で栄冠をつかんだ。
大会では、バーなどの障害物を跳び越える技術とタイムを競う「内国産障害飛越競技」にエントリー。引退競走馬など30頭が出場した予選をトップで通過し、上位8頭によるジャンプオフ(優勝決定戦)では6障害7飛越に挑んで29秒06と、2位に1秒近い差をつけてゴールした。
タケルブラックは2014年4月、北海道新冠町の牧場で生まれ、2歳で競馬界にデビュー。初戦こそ16頭中6着だったが、2戦目以降は11〜16着に沈み、通算成績6戦0勝で一線を退いた。
引退競走馬は殺処分されるケースが多いが、運良く鳥取県米子市の乗馬クラブに引き取られて乗用馬の道に。たまたま訪れた岡山市の30代女性に見初められ、19年春から岡山乗馬倶楽部で預かることになったという。
転機は20年1月。調教担当になった西崎純郎・同倶楽部代表(39)との出合いだった。「うちに来たときは“ぼーっとした馬”という印象だったが、騎乗する度に調子が上がった。よっぽど相性が良かったんでしょうね」と西崎さん。高難度の障害も次々クリアするようになり、同12月には全日本障害馬術大会に初出場。いきなり2位に食い込み、騎乗した西崎さんら関係者を驚かせた。
急成長し全日本を制したタケルブラックは1月22日、日本馬術連盟の「内国産優秀乗馬表彰」も受賞した。西崎さんは「タケルはまだまだ伸びしろがある。信頼関係をより強固にし、人馬一体となって2連覇、3連覇を目指したい」と意気込みを見せた。
引退馬が新天地で才能開花すごいことですね!!
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