日本で初めて芝マイルで1分31秒台がマークされたのは、
リワードニンファが勝った1999年のこのレースだった(コース改装以前)。コース改装以降も3年続けて1分31秒台で決着したように、高速決着が代名詞のようになっていたが、最近は傾向が変わった。最近10年間で1分31秒台の決着は2回のみ。最近3年で逃げた馬が2勝しているように、スローペースになることも見越して予想を組み立てる必要がある。
1.決め手勝負型は苦戦
上がり3Fがメンバー中3位以内だった馬の勝利は、2009年の
スマイルジャックが最後。その後世界を制する
ジャスタウェイでも2着に終わったし(2013年)、一昨年の
マジックタイムも1番人気で3着に敗れている。最終週の開催で追い込みが決まりやすい
中京記念とのギャップが顕著で、差して実績を残してきた馬の扱いは慎重にしたい。
2.中距離適性に要注目
長いゴール前直線でのキレ味勝負を意識して、前半はゆったりした流れになることが通例。遅い流れでも折り合いをつけてスムーズにポジションを取れるという点で、より長い距離に実績がある馬が競馬を進めやすい。昨年の勝ち馬
マルターズアポジーは1800、2000mで重賞を2勝していた。2014年の勝ち馬
クラレントも
エプソムCの勝ち馬だったし、2011年の
レインボーペガサスは
きさらぎ賞勝ち、2009年の
スマイルジャックは
スプリングS勝ちにダービー2着。
3.格下戦からのチャレンジが通用する
前走で準オープンを走っていた馬が過去10年で2勝、前走オープン特別という馬も1勝を挙げている。2016年には
ヤングマンパワーが、2011年には
レインボーペガサスが準オープンからの臨戦でここを勝利した。スピードの裏付けさえあれば前走のクラスに神経質になる必要はない。
エイシンティンクルは海外GIを2勝した
エイシンヒカリの全妹。デビュー以来ずっと1800、2000mを使われてきたが、初めてマイルを使われた6月の
小豆島特別を1分32秒0の好タイムで逃げ切り、さらに距離を短縮した芝1400mの豊明Sも連勝してオープンに昇格してきた。持ち時計の比較でもすでに上位なのだから、オープン初戦といっても割り引く必要はない。好勝負が可能だろう。