日曜(12日)の新潟ダート1800メートルでデビュー予定の
クリソベリル(牡=
父ゴールドアリュール、
母クリソプレーズ・音無)。このレースに使うことはかなり早い段階から決まっていたのだが、だからといって、スケジュールに合わせて簡単に仕上がるようなタイプ(520キロ台の大型馬)でもなければ、騎乗を依頼した戸崎圭が「ここしか空いていない」と言ったわけでもない。単純に番組上の問題だ。
2歳新馬戦が始まった6月序盤の当コラムで立川記者も書いていたが、ダービーを頂点とする2〜3歳春の期間は芝のレースが優遇される一方で、ダート路線はほぼ無視されている状態。3歳限定の
JRAダート重賞がダービーから3週間後の
ユニコーンSまで行われないのはあまりに…。
例えば
ホープフルSと
京成杯は同じ中山芝2000メートルで、日程的には年を挟んで間もないのだから、どちらかはダートに譲るなどの発想があってもいいのでは。
ダート馬が最も冷遇されるのは2歳戦開始から、500万下条件のレースが始まる10月までの4か月間。まずはこの部分にメスを入れるべきではないかと思う。
話が少々それたが…。「大きいだけでなく、普段からボーッとしている性格。父が同じ
ゴールドアリュールでも兄の
クリソライトとは全然違うし、見た感じはとても走るようには思えないんだけどな。調教ではそれなりに動くんだ。よほど強い馬がいなければ、勝ち負けになるんじゃないかって…実は期待している」と音無調教師は
クリソベリルの初陣勝ちに色気を見せている。
しかし、昨年の同番組を勝ち上がったのが現3歳ダート王の
ルヴァンスレーヴだったことからもわかるように、この時期のダート馬は番組に合わせてスケジューリングするしかないため、出走馬のレベルはどうしても高くなるし、当然ながら頭数はフルゲートに…。出走できなかった場合も考えなくてはならない。
一方、先週小倉の芝1200メートル新馬戦の出走頭数は土曜が12頭で日曜は8頭。開幕週に至っては土曜、日曜ともに8頭立て(九州産限定は除く)だった。小倉2歳Sの出走頭数を確保したい思惑もあるのだろうが、ニーズに合った番組構成でないのは一目瞭然だ。
「小倉にダート1700メートルの新馬戦があったら? そりゃあ、視野には入れていたと思うよ」と音無調教師。
ちなみに
クリソベリルは今週の新潟で除外になった場合、秋の中山、もしくは阪神開催までデビューをスライドすることになるという。その間、実に1か月近く。猛暑の中で調整を続けることは決して簡単ではない。
(松浪大樹)
東京スポーツ