「
関屋記念・G3」(12日、新潟)
1番人気の
プリモシーンが、馬場の真ん中を豪快に伸びて快勝。1月の
フェアリーS以来となる重賞Vを決めた。3歳牝馬による当レース制覇は1987年の
クールハート以来、31年ぶり。首差の2着に5番人気の
ワントゥワンが続き、逃げ粘った3番人気の
エイシンティンクルが3着と、
ディープインパクト産駒の牝馬が上位を独占した。
プリモシーンが春のG1で結果を残せなかったフラストレーションを、猛暑の新潟で一気に解消させた。
桜花賞、NHKマイルCともスタートで出遅れてしまい、10、5着と不本意な結果に終わった。陣営は、反撃の舞台を初の古馬相手となる夏の新潟に設定。見事に2つ目のタイトル奪取で、最高の答えを導き出してみせた。
最初にして最大の関門だったゲートをクリア。五分の発馬から、スムーズにレースの流れに乗った。
エイシンティンクルが引っ張り、前半1000メートル通過が57秒2というハイペース。中団やや後ろのポジションできっちりと折り合い、直線は外に持ち出して
ゴーサイン。残り200メートルあたりで内にヨレたが、鞍上の北村宏が左ムチに持ち替えて立て直し、逃げ粘るエイシンをかわす。最後はどんじり強襲で迫った
ワントゥワンを首差抑えて、先頭でフィニッシュした。
昨年10月の未勝利勝ち以来のコンビとなった北村宏は「スタートをうまく決めてくれて流れに乗れた。最後は少しキツくなったけど、力を振り絞って踏ん張ってくれました」と愛馬の頑張りをたたえた。この日の馬体重はデビュー以来最高となる488キロ。「中身が入って、いい馬になっていました」と鞍上は確かな成長ぶりを感じ取っていた。
「終わってみれば理想通りの競馬。良かったと思います」と、1番人気の支持に応えた木村師もホッとした表情。今後は福島県のノーザン
ファーム天栄に放牧に出され、夏場の疲れをしっかり取る方針。次走は未定だが、勢いを取り戻した素質馬が秋のG1戦線を大いに楽しませてくれそうだ。
提供:デイリースポーツ