「
札幌記念・G2」(19日・札幌)
19日の夏の大一番を制したのは、16年
ホープフルS(5着)以来の2000メートル戦に臨んだ2番人気
サングレーザーだった。勝負どころで前が壁になり、動くに動けない状態になりながら、福永の絶妙なエスコートで自慢の決め手を発揮。馬主サイドは
天皇賞・秋(10月28日・東京)参戦を示唆した。鼻差の2着に1番人気
マカヒキ、3着には4番人気
モズカッチャンが続いた。
ダービージョッキーの業が光った。最後の直線、“大渋滞”の中で
サングレーザーは動きたくても動けない状態に。万事休すかと思われたところを一瞬の脚で抜け出し、最後は
マカヒキを内から鼻差かわしてフィニッシュ。久々の2000メートル戦で重賞Vをつかみ取った。
道中は中団からスムーズな走りを見せたが、勝負どころで一気にペースが速くなり、馬群が凝縮。福永は「スペースがなくて動けなかった。ただ、あそこで動いたらロスすると思った」と冷静に対処。結果的にそこでの判断が勝敗の分かれ目となった。一時的にポジションを下げたものの、ラスト1Fで1頭分のスペースが空き、そこをパートナーの自慢の瞬発力で突破した。「最後は馬が応えてくれたね」と汗を拭う。
マイル路線を歩んできた馬が強敵がそろう10F戦に。その理由には馬の成長がある。「馬体が完成したことでフォームが変わった。ハミに頼るところがなくなった」と鞍上は距離の融通が利くようになった理由を明かす。「オーラが出てきたね」とレベルアップしていることも強調した。
この距離で16年ダービー馬を破ってのV。G1レーシングの吉田正志代表は「これだけ強い馬を相手に勝ちましたからね。当然、
天皇賞・秋も考えています」と中距離G1挑戦を示唆した。選択肢の幅を増した
ディープインパクト産駒が、秋のG1戦線で目が離せない存在となる。
提供:デイリースポーツ