短距離GIは、春は
高松宮記念で、秋は
スプリンターズS。双方とも春秋のGIシリーズの幕開けという日程に位置しているが、顕著な違いがひとつある。それは、
スプリンターズSは上がりが速くなりやすい、ということ。
昨年と2015年はともに前半3Fより後半3Fの方がレースラップが速いという「上がり勝負」で、一昨年も前後半の差は0.8秒だった。中山の馬場改修の効果もあって、「バテる馬が少ない終いの瞬発力勝負」が、近年では当たり前になりつつある。
1.上がり33秒台のキレ味が必要
このレースを連覇している
レッドファルクスがマークした上がり3Fは、昨年が推定33.0秒で、一昨年が33.5秒。2015年の
ストレイトガールは33.1秒で、新潟開催だった2014年を挟んで、その前の2年間を連覇した
ロードカナロアの上がりが33.8秒と33.4秒。3F33秒台前半で上がって来られるようなキレ味がないと、勝ち切るのが難しくなっている。
2.距離適性面でのゆとりが必要
レッドファルクスは2016年の
CBC賞で1200重賞に初挑戦する以前は、芝ダート問わず1400mを主戦場にしていた馬だし、
ストレイトガールは
ヴィクトリアマイルの勝ち馬で、
ロードカナロアも
安田記念を勝った。いずれも、より長い距離に対応できるだけの「適性面のゆとり」があったことに注意したい。
3.
セントウルSステップは難しい
一昨年のこのレースでは、春の
高松宮記念の勝ち馬で
セントウルSを完勝した
ビッグアーサーが断然人気を裏切った。今春の
高松宮記念を制した
ファインニードルも、
セントウルSを勝って臨んだ昨年の当レースは12着に大敗している。
セントウルSと
スプリンターズSを連勝したのは2002年の
ビリーヴが最後(その年の
スプリンターズSは新潟開催)で、
セントウルSがGIIに格上げされた2006年以降、両レースを連勝した馬はまだいない。
アレスバローズは
CBC賞と
北九州記念を連勝、サ
マースプリントシリーズを制覇した。以前は乗り難しさのあった馬だが、近走はスタートが改善されて好位置で流れに乗れるようになっている。前走は前半3F32.4秒というハイペースを中団で追走してあっさり抜け出してきた。前走の3、4着馬が
セントウルSで2、3着していることからも、
北九州記念完勝の価値は大きい。3連勝での戴冠を期待したい。