まさに近未来の馬券発売サービスと言っていい。JRAキャッシュレス投票用ICカード『UMACA(ウマカ)』による『UMACA投票』が、東京競馬場で22日からスタートした。これは『UMACA』に前もって現金をチャージしておくことで、専用の銀行口座を開設することなく手軽に馬券を買えるというサービス。各種交通機関やコンビニなどで便利な、Suicaやnanacoと同様のイメージだ。
まず各競馬場内に設置された受付ブースでニックネームと生年月日の登録(20歳以上を確認できる身分証明証が必要)を行い、専用カードを発行。この時4桁の暗証番号と手のひら静脈を登録することにより、高いセキュリティーを実現した。それを専用の投票機にかざしてログイン、続いて入出金や馬券投票を行うという流れだ。
最大の特徴は住所などの個人情報を用いず“手のひら静脈”だけで本人識別が可能な点にある。さらに、これまでインターネット投票でしか購入できなかった「
WIN5」や海外競馬の馬券も、同サービスで購入可能になったというのも大きなアピールだろう。
8日から始まった先行登録では、既に約2500人から申し込みがあったという。サービス開始に先立ち、記者は21日に東京競馬場で行われた「UMACA体験会」に参加してきたので、簡単に感想を述べたい。
最初の
ステップである、専用ブースでの本人登録とカード発行は2〜3分程度であっさり完了。その後、体験会ということで100万円分の“仮想資金”を窓口でチャージしてもらい、次に専用の投票機に『UMACA』をかざし、手のひら静脈認証へ。
続いてタッチパネルで、目的のレース・馬券の種類・金額を画面に打ち込む。最後に、購入内容が印字されたレシートを受け取ってフィニッシュ!-実際に使ってみると、思いのほか簡単に馬券を購入できた。
既に東京競馬場では22日からスタートしているが、その後は10月20日から福島競馬場、11月17日からは中京&阪神競馬場でもサービスをスタートさせる。他の競馬場や、各ウインズでも順次導入される予定となっている。JRA側の期待も大きく、将来的にはコンビニなど、さまざまな施設に『UMACA投票サービス』を展開することも視野に入っているという。『UMACA投票』がスタンダードになる日は近いかもしれない。
ちなみに導入スタートとなった22、23日の総売り上げは1952万円。そのうち「
WIN5」の売り上げが116万円(個人的には、もう少し「
WIN5」の売り上げが伸びると思ったのだが…)だった。JRA広報室は「引き続き、利用者の登録を促していきたい」と、さらなる普及に張り切っている。(デイリースポーツ・刀根善郎)
提供:デイリースポーツ