近年、超一流馬は
天皇賞(秋)を休み明けで使ったり、あるいは
凱旋門賞へ向かったりして、
毎日王冠を
スキップする傾向が見られる。超一流馬不在で行われることが増えて、
毎日王冠の性格も往年とは様変わりしてきた。
1.天皇賞とは別物のスピードレース
毎日王冠の勝ち馬が
天皇賞(秋)も連勝した例は、2009年の
カンパニーが最後。次走で
天皇賞(秋)を勝つ
ジャスタウェイや
スピルバーグも、このレースはそれぞれ2、3着に敗れていた。近年は底力よりもスピードに秀でたタイプが
毎日王冠で好成績を収めている。
2.斤量が軽い馬が有利
年齢別成績でトップに立つのは、連対率35.7%の3歳(過去10年)。ひとつには、古馬より軽い斤量で出走できることが有利に働いた結果と考えられる。同様の理由から、軽い斤量で出走できる牝馬も好成績を残している。翌週に
府中牝馬Sが行われるが、それに背を向けてここに出走してきた牝馬は、過去10年で4頭中3頭が連対して連対率は75.0%。
3.ベテランは割引
同じく過去10年で、4歳馬が連対率21.4%であるのに対して、5歳馬が14.7%、6歳馬は13.0%、7歳以上は3.6%と、歳を重ねるにつれ成績が下降している。スピードが求められるレースであるという観点からも、ベテランの狙いには慎重にならざるを得ない。
アエロリットは
安田記念でタイム差なしの2着。厳しい流れを早め先頭に立ってのものだけに価値は大きい。今年に入ってから、3歳時より一回り大きくなった500kg台の馬体重で使われており、いよいよ完成の域に近づいてきたと見ていいだろう。前向きな気性で久々は苦にしないタイプ。モレイラ騎手起用ということもあって、休み明けから勝負態勢は整ったと見る。