これまでの競馬ぶりを見ると、どうにも前進気勢が強過ぎるきらいがある
メイショウテッコン。前走の
神戸新聞杯(3着)にしても、スタート後に頭を上げて、自ら前に出ようとする動きを見せており、果たして
菊花賞の3000メートルで落ち着いて走れるのかという疑問が浮かぶのだが…。調教をつける中塚助手によれば、前走は“アク
シデント”があった割に、すぐ収まりがついた評価すべきレースなのだという。
「
パトロール映像を見れば分かりますが、スタート後に外から馬が寄ってきて狭くなり、その後に内から外に出てきた馬に体をぶつけられているんです。結構ゴチャついたんですけど…。それでも少しハミをかんだくらいで、すぐ落ち着けた。あの走りを見ると、3000メートルでも大丈夫なんじゃないかと思います」
なんでも意識的に併せ馬を多く組むことで「“近くに馬がいても大丈夫”って入念に教え込んできた」のだとか。それが秋になって実を結んできたのかもしれない。
「折り合い」が
オーケーなら、あとは「スタミナ」。この点に関しては早い時点で手応えを感じていたようだ。
「春先だったかな。調教でウッドコースを2周半回ったことがあったんですが、ホームストレッチに来るたびに、15-15くらいにペースを上げ、しかも最後の直線で、まだ加速して行こうとしたんです。その時“なんじゃ、コイツは”ってびっくりしましたよ」
その持久力の片鱗は1000メートル通過58秒5という、よどみないラップで逃げながら、掲示板に残った5月の
京都新聞杯で見せている。
前&内で運んだ馬が有利となる現代の
菊花賞。1800メートルを1分45秒台で走破できるスピードだけでなく、スタミナも持ち合わせた、この
メイショウテッコンが道中、息を入れながら、うまく走れれば…菊のVシーンは十分に見えてくる。
(栗東の坂路野郎・高岡功)
東京スポーツ