「天皇賞（秋）・Ｇ１」（２８日、東京）

　ダービーを制した時の輝きを取り戻しつつある。骨折明けの札幌記念で２着にまとめたマカヒキ。久々の勝利を狙う今回、栗東坂路で２４日、軽めながら貫禄が漂う動きを披露した。

　４Ｆ５４秒９-４０秒６-１３秒４と時計的には強調できる数字ではないが、動きそのものは力感にあふれ、迫力があった。「雨上がりで馬場も悪かったので、無理せず息を整える程度でしたが、楽に上がっていましたね」と友道師は目を細める。「ようやく３歳春の一番いい状態に近づきつつあります」。師の胸の内には完全復活への確かな手応えがある。

　先週の追い切りで初めてまたがった武豊も「さすがダービー馬。乗り味がいいし、状態もいいですね。本当に楽しみ」と胸を躍らせる。もちろん、自分のすべき仕事は結果を出すこと。「ルメールにも話は聞いていたが、大きな癖はなく乗りやすい。東京の二千はいい舞台だと思う」とイメージを膨らませた。

　ユタカは今秋のＧ１で３戦連続３着。先週の菊花賞では１０番人気のユーキャンスマイルを持ってきたが、やはり１着でないと満足はできない。「３着ばかりで、ルメールが１着ばかり。今回は逆にしたいね」。平成最初の秋盾をスーパークリークで制した名手が、平成最後も勝利で締めくくる。

提供：デイリースポーツ