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世代を代表する2頭でハナ差の決着/北海道2歳優駿回顧(斎藤修)

  • 2018年11月02日(金) 18時00分
 ホッカイドウ競馬の2歳重賞は、開催最終日に牝馬のブロッサムCと、震災の影響で2カ月も遅れて11月14日に実施されることになったイノセントCを残しているものの、2歳の2つのJpnIIIがひとまずの総決算。牝馬では重賞3連勝でエーデルワイス賞JpnIIIまで制したアークヴィグラスが後半になっての充実ぶりを見せたが、牡馬では複数の重賞を勝つ馬がおらず、ここを勝ったのも、これが重賞初制覇となったウィンターフェルだった(※レース翌日に着順変更あり、後記参照)。

 直線は、逃げていたイグナシオドーロに、ウィンターフェルが並びかけての追い比べ。見ているものにはもちろんだが、両馬の鞍上にも、勝ったか負けたかの確信はなかったようだ。写真判定の結果、惜しくもハナ差で屈したイグナシオドーロには残念だったが、今シーズンのホッカイドウ競馬の2歳戦線を代表する2頭が大一番でその能力を見せた結果といってよい。

 今シーズンの牡馬勢が混戦だったのは、能力の高い馬がいなかったのではなく、素質はあっても、いざレースで能力を十二分に発揮できない馬が多かったため。6月のスーパーフレッシュチャレンジを勝ったサクセッサーは、怪物とも化け物とも言われたが、自分からレースをやめてしまうところがあり、8月にウィナーズチャレンジを勝ったものの、結局その後は眠れる大器のままだった。

 ウィンターフェルも素質を評価されていた1頭で、サンライズCではマイコートとの追い比べとなってハナ差で2着に負けたのは、気を抜いたり、走るのをやめることがあってのことだったようだ。

 今シーズンは開催初日に予定されていたスーパーフレッシュチャレンジが濃霧のため中止となって、5月2日に延期して行われた最初のスーパーフレッシュチャレンジの勝ち馬となったのイグナシオドーロ。その後、栄冠賞では9着に惨敗し、しかし1700mのブリーダーズゴールドジュニアCは8番人気の低評価を覆して勝って見せた。逃げたサンライズCは直線で前の争いから早々と脱落し、離されての3着。しかし今回、最後まで見せた粘り腰こそがイグナシオドーロの強さなのだろう。

 どんな状況であっても負けないのが、真の最強馬ではあるのだが、今シーズンの北海道所属2歳馬のトップクラスは危うさを持ち合わせた馬が多く、それゆえに上級認定競走や重賞で勝ったり負けたりという結果だった。

 今回、中央勢は4頭いずれも未勝利戦を勝っただけというメンバーで強調できるような馬がおらず、結局は芝で勝利を挙げていたミヤケが、前2頭の接戦から5馬身離されて3着に入った。

 中央勢が勝ち負けに加われなかったとはいえ、レースのレベルが低かったわけではない。同じ1800mのサンライズCが、最初の1000mが64秒0とゆったり流れ、上り3F=38秒9、ウィンターフェルをハナ差でしりぞけたマイコートの勝ちタイムは1分55秒8。そして今回、イグナシオドーロが逃げたのは同じだが、1000m通過が61秒5という厳しい流れとなって、当然上りは3F=39秒7とかかり、勝ちタイムは1分54秒1。サンライズC上位3頭のうちの2頭の決着だったとはいえ、JpnIIIらしいレベルの高い争いとなった。過去4年のこのレースの勝ちタイムも1分54秒〜55秒台に収まっており、それらとの比較でもレース内容は評価できるものだった。

(※後記)
 この原稿をほとんど書き終わろうかというタイミングで、ホッカイドウ競馬から、「1、2着馬の着順が間違っていて、1着イグナシオドーロ、2着ウィンターフェルに訂正」という内容のリリースがありました。1、2着馬の着順にかかわらず、全体の評価としては間違っていないので、この原稿はそのままにしました。

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