前走の
毎日王冠(GII)2着から
マイルCSに臨む
ステルヴィオ(牡3・美浦・
木村哲也)。騎乗するウィ
リアム・ビュイック騎手と管理する木村調教師の共同記者会見が行われた。
■ビュイック騎手
(追い切りで
ステルヴィオに乗った印象は?)
「前走の
毎日王冠のVTRは見ました。調教師さんがしっかりされていますので、調子が良いのは間違いないと思うのですが、自分が乗ってみてすごくコンディションが良いように感じましたので良かったです。自分が来た最初の週にいきなりGIなので、エキサイトしています」
(映像と実際に乗ってみての違いは?)
「非常に良い脚を最後に使って、届かなかったというのがVTRで見た前走の印象です。実際に今日自分が乗った時には、やはり同じように飛ぶかのようなすごく良いダッシュで追い切れたのですが、レースではどういう形になるのかわからないですし、いろいろなプランを練ります。1つのプランだけではなく、プランA、プランBというように、プランを立てていきたいなと思っています」
(GIでトップマイラーが集うが、自信は?)
「もちろん(この馬は)トップクラスの馬だと思いますし、自信はもちろんあります。良い馬に乗れるということでエキサイトしています」
(4年振りの短期免許だが、今回の来日について)
「ずっと日本に来たいと思っていたのですけど、契約の問題などいろいろなことがあって来ることができませんでした。今年に関しては、3月の段階でこの秋に日本に行こうと考えていて、その通り日本に来られたので良かったです」
(今年はイギリスダービーも制して、ファンの期待も高いと思うが?)
「世界のいろんな国でGIを勝ってきましたが、まだ日本で勝っていませんので、まず日本でGIを勝ちたいという思いがあります。その中で今回オーナーや調教師さんからありがたいサポートがありましたので、それに応えたいとも思いますし、まずはGIを日本で勝ちたいという思いが非常に強いです」
(先週京都競馬場で12レース中、11レースで外国人ジョッキーが勝ったが?)
「昨日の夜にちょうどその話をしていました。この時期には良い外国人ジョッキーがたくさん来ていますけど、日本のジョッキーのレベルの高さもわかっています。非常にレベルの高いジョッキーがたくさんいる環境の中に自分がいると思いますので、その中で自分も目立てるように、自分もその中の良いジョッキーの1人と言ってもらえるよう頑張りたいです」
■木村調教師
(ビュイック騎手が乗った今朝の併せ馬の追い切りについて)
「良い意味で思い描いた通りに運べましたし、良い稽古ができたのではないかなと思っています。こういう調教だと(担当の)助手にものすごくプレッシャーがかかると思うんですよね。信頼しているんですけど、何とか落ち着いて乗り越えてほしいなという思いもありました」
(跨ったビュイック騎手の感想は?)
「『素晴らしい動きだ』という一言ですね」
(
皐月賞・GI・4着、ダービー・GI・8着と王道を走った春シーズンを振り返って)
「
スプリングS(GII・1着)で良い滑り出しができたと思っていました。個人的には
スプリングSを使った後に一段上がって当時のトップコンディションに一気に来たという手応えがあったのですけど、私自身の調教の組み立てが結果的には失敗して、その当時の
ステルヴィオの本来のパフォーマンスを引き出してあげられなかったという反省点の多い
皐月賞でした。
そこからダービーに向けてリカバリーできる時間が当時はなかったという感じで、そういう中でダービーも含めて脚を使ってくれましたが、自分自身に対しては悔しい思いをしているという春シーズンでした」
(秋こそはという気持ちでこのシーズンを迎えた?)
「そうですね、しっかりオーバーホールして、どういう形で秋を迎えることができるのかというのは、悩みながらも冷静に、そして期待感を当然持って秋シーズンを迎えています」
(前走の
毎日王冠は素晴らしい末脚だったが?)
「結果は残念だったですけど、改めて素晴らしい馬を管理させて頂いているんだなと思いました」
(そのレース後すぐに
マイルCSに行くことが決まった?)
「オーナーの方から秋シーズンはこういう段取りで行ってくださいと言うことは伺っていたので、そういうところですね」
(
毎日王冠後の馬の調子は?)
「正直、ハードなレース内容でしたし、それでなおかつあれだけのパフォーマンスをしました。わかりやすく申しますと、普段腫れないようなところが腫れたりして、1週間(厩舎で)見させてもらって少しずつリカバリーして、その後はノーザン
ファーム天栄の方に移動したという感じなんですけど、レース後はちょっと心配をしました」
(そのあたりは放牧中に治ってきた?)
「そうですね、天栄の方で向こうの素晴らしいスタッフがリカバリーしてくれて、立ち直って帰ってきたくれたという感じです」
(レースで見せた末脚は、その時の鞍上の
ルメール騎手がGIでも通用すると言っていたようだが?)
「そうですね。客観的な評価は頂いていますし、評価は周りの方々がすることだと思いますけど、(私自身も)そう思っています」
(今回は名手ビュイック騎手を鞍上に迎えるが?)
「ああだったら良かった、こうだったら良かったということがないように、現時点での
ステルヴィオの持っている才能を発揮させるようなレースができれば嬉しいなと思っています」
(京都の直線でも末脚鋭くというイメージで?)
「今の彼ならそうしてくれると思っています」
(前回がダービー以来でプラス6キロだったが、今回は数字的には?)
「思いのほか減ったというか、普段厩舎で管理している時の馬体重より(レース当日は)かなり減ったものですから、ちょっとビックリしたところがありました。今週結構聞かれるのですけど、輸送の段取りなども含めて、これから今日の午後、そして明日の馬を見て精査が必要になってくるのかなと思っています。ただ今のところは
毎日王冠の時にウチで管理していた時と具体的な数字で言えば変わってはいません」
(場合によっては出発日を前倒しすることも?)
「もちろん考えています。トータル的にどうするかはもう少し時間を頂ければなと思っています」
(取材・文:佐々木祥恵)