今年は芝12Fをチャンピオンディスタンスとする欧州から、2頭のGI勝ち馬を含む大挙8頭もの参戦がある。
実績最上位は、1999年に
ボルジアで制して以来19年ぶり2度目となるこのレース制覇を狙う、仏国の伯楽A.
ファーブルが管理するヴァルドガイスト(牡4)だ。今年7月には、仏国におけるこの路線の前半戦の総決算となるGI
サンクルー大賞(芝2400m)を制覇。これを含めて今年5月から9月まで、仏国のこの路線の重賞を4連勝した強豪である。ただし、前々走のGI
凱旋門賞が4着、前走の
BCターフが5着と、シーズン終盤を迎えてややパフォーマンスが落ちているのが気懸かりだ。
欧州からやってくるもう1頭のGI勝ち馬が、開業3年目の今年、年間勝ち星が初めて100勝を上回った新進気鋭の若手調教師J.オブライエンが送り込む
ラトローブ(牡3)である。愛国における今年のダービー馬で、秋には古馬相手のGI愛セントレジャー(芝14F)で2着に好走。前走は豪州に遠征し、適距離より短いと思われたGIマッキノンS(芝2000m)でも僅差の2着に健闘している。
芝12F路線の水準が、欧州に負けず劣らずに高いのが我が国・日本で、
エリザベス女王杯(芝2200m)で1、2着した
リスグラシュー(牝4)、
クロコスミア(牝5)の能力は、このメンバーに入ってもまったく見劣りしない。
香港ヴァーズは牝馬の優勝も過去4度あり、まずは香港国際競走のオープニングカードで、日の丸が上がり、君が代が場内に流れる可能性もおおいにありそうである。
(文=合田直弘)