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【有馬記念】未だ破られぬ“2:29.5” ゼンノロブロイが秋古馬3冠達成/平成有馬記念列伝(2004年)

  • 2018年12月20日(木) 22時15分
 シンボリクリスエスがターフを去ってから1年。暮れのグランプリの主役は厩舎の後輩、ゼンノロブロイに受け継がれた。

 3歳で挑んだ前年の有馬記念は3着止まりだったが、4歳秋にして本格化。ペリエ騎手とのコンビで天皇賞・秋ジャパンカップを連勝し、テイエムオペラオー以来の秋GIの3タテを狙う。もちろん1番人気はこの馬だ。

 2番人気は認定厩舎制度を利用し、地方所属のままこの年のクラシックを沸かせたコスモバルク凱旋門賞帰りのタップダンスシチーが3番人気で続き、4番人気のデルタブルースまでが10倍以下のオッズを示していた。

 タップダンスシチーがハナに立ち、ゼンノロブロイはやや遅れ気味のスタートも、絶好枠を生かしてすぐに2番手に取り付く。ヒシミラクルも先行態勢を取り、その後ろにデルタブルースコイントスコスモバルクは中団から競馬を進める。

 タップダンスシチーは予定していた飛行機が故障で飛ばず強行スケジュールとなった凱旋門賞の影響や、帰国後の検疫の関係で調整が遅れ、陣営から「7割の出来」と泣きが入るほどの状態だったが、持ち前の先行力を遺憾なく発揮。ペースを緩めることなく飛ばしていく。

 終始、2馬身のリードを保ったまま、4コーナーを回ってきたタップダンスシチーだったが、さすがに残り200mを切ったあたりから脚が鈍りはじめる。残り100m地点でゼンノロブロイが馬体を併せると、最後は半馬身差をつけてゴール。3着に差してきたシルクフェイマスコスモバルクは連戦の疲れが出た形で11着に沈んだ。

 勝ち時計は前年に記録されたレコードを1秒更新する2.29.5。シンボリクリスエスの好敵手タップダンスシチーの演出により、シンボリクリスエスより王位を継承したゼンノロブロイが、その強さを存分に見せつけた有馬記念だった。

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