注目は史上6頭目となる牡馬三冠を無敗で達成した
ディープインパクトの古馬との初対決。ファン投票で16万297票を集め、その「飛ぶ走り」を一目見ようと、中山競馬場には16万人を超える大観衆が詰め掛けた。
ディープインパクトの単勝オッズは1.3倍。古馬初対戦、直線の短い中山コースであっても、その勝利を疑う者はほとんどいなかった。
2番人気は
ゼンノロブロイ。前年の秋戦線を完全制圧した馬だ。この秋も
天皇賞(秋)を2着、
ジャパンカップを3着と安定した走りをみせていた。鞍上はケント・デザーモ。離れた3番人気で、
有馬記念三連覇中のペリエが駆る
デルタブルースが続く。
オースミハルカが外からポンと出るも、内からじわりと
タップダンスシチーがハナを奪う。3番手に
コスモバルクが続き、その直後につけたのが4番人気の
ハーツクライ。ダービー、
宝塚記念、
ジャパンカップといずれも後方一気で2着に健闘していた
ハーツクライの先行策に、場内はどよめきに包まれる。
ゼンノロブロイは中団、そして
ディープインパクトは悠々と後方からポジションを上げていく。
タップダンスシチーに往年の力はなく、4角入り口で早々と後退。
ディープインパクトが外から手応え良く6番手に上がって直線コースへ向く。一歩先に抜け出した
ハーツクライをめがけて、外から襲い掛かる
ディープインパクト。しかし、2馬身の差がなかなか縮まらない。最後は半馬身リードを守り
ハーツクライが栄光のゴールへと飛び込んだ。
ルメール騎手の左手が高々と上がる。
ディープインパクト、初黒星。
武豊はレース後にこう振り返った。
「今日は飛ばなかった」