年明け早々の競馬は取材者側の慣習として、その年に成人を迎える騎手や“年男”に例年、注目が集まる。
京成杯でいえば、
カイザースクルーンがまさにそれ。管理する
相沢郁調教師(59)とキュウ舎の所属騎手でもある鞍上の
石川裕紀人(23)が亥年の年男なのである。
デビュー6年目の鞍上にとっては、もちろん「年男ジョッキー」として初めて迎える年だが、1998年開業の相沢師にとっては「年男トレーナー」は2度目。前回の2007年は重賞を勝てなかっただけに、今年は…の思いも強かろう。
今年の3歳勢は
朝日杯FSに出走(6着)した
エメラルファイトら、すでに8頭が勝ち上がる好調ぶり(6日終了時点)。
カイザースクルーンも新馬勝ち後の
芙蓉S(3着)で0秒1差の接戦を演じた素質馬だ。それだけに前走の自己条件・
葉牡丹賞(5着)の0秒5差は物足りなく映るが、内枠でゲートの出がひと息だったため、スタート後に鞍上が手綱を押して先団を取りに行ったものだった。
「どうも走りのリズムが悪くなってしまったね。ジョッキー(ビュイック)は“どうせ押して行くならハナまで行っても良かった”とレース後に言っていた。切れ味よりも長くいい脚を使えるタイプ。母馬の実績を考えれば、2000メートルはもちろん、距離はもっとあってもいい」
相沢調教師は12年
オークス3着の
母アイスフォーリスを引き合いに、
カイザースクルーンの持ち味を説明。同時に「3歳馬の成績がいいのはたまたまだと思うが、
カイザースクルーンはもちろん、
エメラルファイト(土曜京都の白梅賞を予定)、
ヘイワノツカイ(
ジュニアC4着)あたりは重賞でも頑張ってもらわないと。裕紀人も昨年はケガもあって成績が伸びなかったけど、今年は勝負の年。(重賞を)勝てば目立つんだから頑張ってほしい」と愛弟子にエールを送る。
一方の石川も
カイザースクルーンの1週前追い切り(3日=南ウッド5ハロン67.6-12.9秒)に騎乗して感触をつかんでいる。
「もともと硬いところがあって、稽古では(速い)時計が出ない馬だったんですが、最初のころに比べれば良くなってきました。スタートさえ決まれば好位が取れる馬。僕も自キュウ舎の馬でぜひとも重賞を勝ちたい」
果たして年男の師弟がどんなパフォーマンスを見せるのか。ちなみに
エメラルファイトを担当する佐藤美世人キュウ務員も今年48歳の年男。また月曜京都の
紅梅Sには
レノーアも出走予定だ。というわけで3日間開催は、相沢キュウ舎の3歳勢が東西で熱い走りを見せてくれそうだ。
(立川敬太)
東京スポーツ