28日、都内ホテルで「2018年度
JRA賞」の授賞式が行われ、各部門を受賞した関係者が出席した。昨年出版された『競馬と鉄道〜あの“競馬場駅”はこうしてできた』を執筆し、netkeiba.comでもコラム『競馬最前線』を連載中の矢野吉彦氏が、功労賞の原良馬氏とともに馬事文化賞を受賞した。
【矢野吉彦氏のコメント】
「(馬事文化賞の一報を聞いて)GIをとったような気持ちでした。最初は競馬ブックの記事から始まって、それが新馬のデビューで、競馬博物館で特別展をやったというのが重賞制覇のようなところで。トークショーをやってそこでお声がけいただいて、本にさせていただいたのですが、それが
トライアル制覇と。で、
JRA賞にノミネートされていると聞いてはいたのですが、ダービーなどと違って相手がわからない。自分は仕上げたつもりだったんですけど、どんな相手がいるかわからないから、本当にドキドキしていたのですが、受賞させていただいたときには、いろいろな方々にお世話になってこの本に繋がったわけですから、皆さんへの感謝の気持ちがまっさきにあがりました。
原良馬さんが功労賞を受賞されて、私の仕事の大先輩ですから、本当にお世話になってますので、原さんの先を越して賞をとらなくてよかったなと(笑)、一緒で本当に喜ばしい限りです。
執筆ではほとんど苦労はなかったんです。好きなことをやらせていただいてるわけですから、調べると新たな発見があったりして、楽しいことばかりでしたね。紙に残ることなので、正確な記述を心がけました。出版社の方と二人三脚で、これもまた競馬の騎手と馬の関係のようなもので、出版の業界では、書くのは筆者だけども、書かせるのは編集者という言葉があるそうで、これはまさに競馬の人馬一体ということだと思います。
本業はしゃべる方なのですが、紙の方で賞をいただいたというのは、本当にありがたいなと思っています。
(鉄道ファンと競馬ファンの共通点は)競馬新聞を見て勝ち馬を探すのと、時刻表を見てルートを探し出すのはほとんど一緒だと思うんです。だから私の競馬仲間にも鉄道好きは多いです。鉄道ファンだったらきっと競馬ファンにもなってもらえると思うので、そういう意味でも競馬と鉄道というのは、これからも末長く、いい絆を保っていくんじゃないかなと思っています」