「軽い芝」と表現される最大の特徴がどこかに消えてしまい、「
ディープインパクト産駒の受難」が続く京都は連続開催2週目を迎える。
セオリーの通じない芝を相手に初任給ほどのお金を失い、やはり「馬券は東京」との意を強くした今週は、
きさらぎ賞ではなく、
東京新聞杯が
メインターゲットになる。
ここを使うと聞いたときから、
インディチャンプ本命で気持ちは揺るがないが、
京都金杯の本命馬
リライアブルエースの人気がここまで落ちると(前走も9番人気の低評価ではあったが…)、この馬に対する未練も少なからず…いや、かなり残る。
勝ち馬から0秒5差でも12着は12着。期待した結果ではなかったのは確かだ。20キロ増の馬体は成長分を加味しても余裕残し。本来のイメージと真逆のタフな芝状態もディープ産駒のこの馬には合わなかった。
「それもあるけど、あの負けは乗り方だよ、乗り方。この馬はな、手応えにだまされて外を回したらダメ。右、左の回りに関係なく、外へと張ってしまうからな。中京の
トリトンSもそうだっただろ?」と池田キュウ務員。
そうだ、思い出した。「デキ絶好、負ける材料なし」と聞いていたのに、14着という驚くべき惨敗を喫した1年前の
トリトンS。あの一戦でも
リライアブルエースは外を回し、外へと張るようなしぐさを見せて、直線はまるで伸びなかった。
「それと正反対だったのが田辺が乗って勝った次のレース(
晩春S)だよ。“乗り方、分かるか?”って聞いたら“前走のビデオは見ました”って。内枠だったのもあったけど、ちゃんと外に馬を置いていたからな。上がってきて“馬群を割ってくるような競馬が合ってますね”と言うとったわ」
1週前追い切りにも池田キュウ務員の意向がありあり。3頭併せの最後方を走っていた
リライアブルエースが直線で2頭の間へと進入。一気に突き抜けてしまった。
「ムチャクチャ良かったろ?(坂井)瑠星も“馬群の中に入れたら、ホントに動きますね”って。だから、今回は“そういう競馬をするように”と口が酸っぱくなるほど言うてんねん。ホンマ、うるさいオッサンやなあと思ってるかもしれんけど、力を出せなかったら意味がないからな(笑い)。前が詰まってもいいから、馬の間に突っ込んでいってほしい」
思っていた以上の混戦模様。
インディチャンプからでも、そこそこの配当にありつけるかもしれないが、相手が
リライアブルエースになった途端に、そこそこから、“とてつもない”に跳ね上がる。初任給分に利子をつける形でお金が返ってくるのでは…とソロバンをはじいているところだ。
(栗東の本紙野郎・松浪大樹)
東京スポーツ