全国的に平年よりも気温の高い日が多くなっているが、栗東も例外ではない。日中に関しては春の陽気といったところだが、調教開始時刻に関してはまだまだ寒い。27日は0℃と吐く息が白く、いかにもこの時季らしい寒さ。
28日は朝から雨が降ったので、調教開始時刻から5℃くらいの気温が続いた。体感としてはかなり寒く感じたので、まだ油断できない日が続きそうな気がする。
【坂路/4F51.9秒】
2月27日。一番時計は
グラウクス(栗東・
西園正都厩舎)の4F49.7秒。これに続く時計は、4F50秒台だが、それが9頭。ということで、4F51秒台以下が10頭もいる、時計の出やすい馬場状態は先週までとあまり変わりない。ただ、先々週の最も時計が出やすかった馬場状態から比較すると、少しずつ落ち着き出している気もする。
チューリップ賞の最終追い切りを行った
ドナウデルタ(栗東・石坂正厩舎)が4F51.7秒、2F24.0秒、1F11.9秒。ゴールに向かって加速していくラップだが、追い切りでの動きは一戦ごとに迫力を増している。重賞で結果が出ないレースが続いているが、この動きができるなら、いつ結果が出てもおかしくない。
2月28日。一番時計は
ウインヒストリオン(栗東・五十嵐忠男厩舎)の51.3秒。この日の全体的な時計を見渡すと、速い数字がかなり少なくなったが、これは前日よりも追い切り頭数が減っているから。とはいえ、降り続いた雨の影響も多少あったと考えた方がよいだろう。
先週の馬場差は「-0.8秒」。基本的にはこの馬場差で問題ないので、27日は『-0.8秒』で記録。28日に関しては、雨の影響を考慮して『-0.5秒』で記録している。
【CW/5F66.0秒】
2月27日。翌日に雨の予報があったこともあり、ハロー終了直後を中心に追い切りが集中している。この日は雨が降っていないものの、先週に比べると時計を要する馬場状態だった。
2月28日。追い切り頭数こそ少なかったものの、別ニュースで取り上げたように、来週以降の重賞競走の追い切りを行ってくる陣営も多々あった。
友道康夫厩舎はドバイミーティング(3月31日)の出走を予定している
シュヴァルグランが併せ馬、
ヴィブロスが単走でそれぞれ追い切りをこなしている。
この日、最も注目すべき追い切りは
カツジ(栗東・池添兼雄厩舎)。1回目のハローが終了した直後の時間帯に、
松山弘平騎手を背に単走で追い切られたが「少しズブさがあるので」(土屋均調教助手)ということで、テンからしっかりと時計を出す追い切りを敢行。
その言葉通り、7F標識から16秒のラップで通過していき、あとはゴールへ向かってグングンと加速していく。4コーナーで大外を回った分、最後の伸びは少し切れを欠いたが、それもそのはず。6F78.7~5F64.3~4F50.7~3F37.4~1F12.4秒という時計で、最後も11秒台ならとんでもなく速すぎる。
予定されている
東風S(3月10日・中山芝1600m)は重賞を勝った舞台と同じ。寒い時期よりも暖かい方がよいタイプだが、今週末あたりから気温が上昇するようなので、それとともに自身の状態も上向いてくるのではないだろうか。
先週の馬場差は「-0.2秒」。27日は計時している印象としては、少し重い馬場という感じだったが、全体的な時計を見渡すと、先週とあまり変わりない。よって、27日の馬場差は『-0.2秒』にしている。28日は雨の影響を受けた印象なので、『±0.0秒』で馬場差を記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は27日の追い切りがなし。28日は雨が降ったこともあり、2組の併せ馬での追い切りを確認している。もともと馬場状態が良くない印象があるが、28日も同様。よって、馬場差としては28日が『+1.0秒』で記録している。
ポリトラック馬場での追い切り頭数はここ数週で最も少ない。頭数が少ないこともあってか、速い時計は出ていない。馬場差に関しては、27日、28日とも『+0.0秒』で記録している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)